「事象」と「状況」の違いとは?分かりやすく解釈

「事象」と「状況」の違い違い

この記事では、「事象」「状況」の違いを分かりやすく説明していきます。

「事象」とは?

「事象(じしょう)」とは、「現実の世界で起こるあらゆる出来事」を意味しています。

「事象」は、「ある原因から生起して、人が認識できるかたちで表面化した物事全般」を示している言葉なのです。

「事象」は実質的には、「現象(げんしょう)」の同義語として使用することができます。

ただし、「現象」「自然界・人間社会におけるある根本的な原因・法則があって、そこから表面に出てきた物事」のニュアンスが強くなっています。

そのため、「現象」「事象」よりも「自然や社会に関わる事柄」を指して使われることが多いのです。

逆に「事象」「現象」よりも「人や社会(時代)に直接的に関わる事柄が多くなっています。

また「事象」には、「数学における試行の結果として起こる現象」の意味もあります。


「状況」とは?

「状況」とは、「ある人物・物事を取り囲んでいる様子や情勢」を意味しています。

「状況」というのは、「常に変化している物事・環境のその時々における様子」を示している言葉なのです。

「状況」は実質的に、「環境(かんきょう)」と近い意味合いを持っている類義語として使えます。

ただし、「環境」「人の意識・目的・行動と切り離された客観的なありさま」を意味しています。

一方、「状況」「人の主観的な視点・意識・目的と完全には切り離すことができないありさまを意味している違い」はあります。

「状況」の表現は、「主観的な人の意図と客観的な周囲の環境との相互作用が生み出す場・様相」を指し示しているのです。


「事象」と「状況」の違い

「事象」「状況」の違いを、分かりやすく解説します。

「事象」は、「主観的な人の視点なしでも成り立つ世界の物事全般」を意味している言葉です。

しかし、「状況」というのは「主観的な人の意識や意図を前提にして、その人や物事を取り囲んでいる環境・様相」を意味している違いを指摘することができます。

例えば、「危機的な状況に陥る」の文章は、「人が危険を意識していることと関連している文章」であるため、「危機的な事象に陥る」と言い換えることはできないのです。

「事象」の例文

・『社会問題として認識されている事象の多くは、資本主義の競争原理や人のコンプレックスと相関している問題です。』

・『サイコロを振る確率的な事象は、他の行為と関係していない独立事象と呼ばれるものです。』

「状況」の例文

・『過酷な状況に陥ったとしても、彼であれば途中で諦めて仕事を投げ出してしまうようなことはまずありません。』

・『周りが興奮している時こそリーダーが冷静に状況を見極めないと、部下の多くを危険な目に遭わせてしまいます。』

まとめ

この記事では、「事象」「状況」の違いを詳しく説明しましたが、いかがでしたか。

「事象」とは「ある前提から世界で起こる全ての物事・現象」を意味していて、「状況」「人と環境・他者などの相関関係が生み出すありさま」を意味しています。

「事象」「状況」の意味や違い、例文をチェックしたい時は、この記事の内容を読んでみてください。

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