組織や団体を纏めるときや何か大きなことを成し遂げるときには必ずリーダーとなる人が存在しています。
よく様々な自己啓発本でも『リーダーシップを発揮する』や『中心となって周りの人にいい影響を及ぼせ』などの言葉があります。
非常にポジティブな言葉ですので、とても全ての人間が取り組むことはできなさそうに見えますが、自分の人生のリーダーは自分ですので是非とも覚えておきたい言葉です。
しかしながらふと考えるとこの様なリーダーシップ論になったときに『主導』と『先導』という言葉がよく出て来ることに気が付きませんでしょうか。
どちらも『導く』という漢字の前に『主』や『先』という前向きな言葉が使われていますがこれらが微妙に違うニュアンスを持つことをご存知でしょうか。
この記事では「主導」と「先導」の違いを分かりやすく説明していきます。
「主導」とは
この単語は『あるグループの中心になって行動を起こし働き掛けること』を意味します。
これは具体的にどの様な状況でしょうか。
少し考えるとこの言葉も持つ本質が見えてきます。
グループを動かすという時は人と人とのコミュニケーションが発生しますが、同時に力関係も発生します。
それは年齢であったり、実績や肩書、学歴や社会的地位など様々です。
いずれにせよ上下関係が発生し、その中で中心人物が自然と生まれます。
その中心人物や部署などがある目的を持ちまわりの人間を『導く』ときのことを表す言葉が『主導』ということばの持つ意味になります。
「先導」とは
一方『先導』はどうでしょうか。
これは読んで字のごとく『先に立って導く事』を指す言葉です。
もう少し具体的に見ていきましょう。
『先導』という言葉はビジネス以外にもよく使われています。
例えば『警察車両が先導する。』などです。
物理的に警察の車が先導していることが分かります。
この状況には例えば後ろに偉い政治家や海外からの来賓、もしくは重罪を起こした犯罪者を護送するときなど様々です。
この『先導』している人間と『導かれている』人との間には力関係は全くなく、ただ単純に先頭に立って導かれているという状況がお分かりいただけると思います。
「主導」と「先導」の違い
この二つは『力を持った人物が集団を導く』のか『物理的に先頭に立って集団を導く』のかという違いがあります。
非常に混同されているこの2つの言葉です。
ですが、『リーダーシップを持て』というのは決して『主導』するということではなく、『先導する』つまり、『力や地位がまだなくても、正しいデータと考えを持って集団を導く様にしてみよう。』というとてもポジティブな意味としてとらえることが出来ませんでしょうか。
まとめ
如何でしたでしょうか。
よく似た言葉ではありますが、実はそこには権力などの力関係が背景にあるかないかで分けられる言葉が今回の『主導』と『先導』でした。
よく自己啓発本に使われる言葉ですが、しっかりと理解をしないとせっかくの本が伝えたいことを誤認してしまうこともあります。
この様な言葉の違いは特に注意をして書籍やセミナーを受けてみては如何でしょうか。