この記事では、「予測」と「予知」の違いを分かりやすく説明していきます。
「予測」とは?
「予測」【よそく】とは、データや根拠を分析して今後起こる出来事や結果の見当をつけることです。
一般には、気象や気候、地震など過去のデータを用いて分析できる事象に使われます。
「予測」に含まれる漢字の「予」は「あらかじめ、先に」を意味し、「測」は「水の深さや物の量をはかること」あるいは「今分かっていることを基に見当をつけること」を意味します。
このことから、熟語の「予測」は根拠などを基に前もって推し測る行為を表していることがわかります。
一般に「予測」とは、科学的な根拠を基に見当をつけるものです。
「予想」「予言」とは違い、想像したり感覚に推し量ったりするものではありません。
「予知」とは?
「予知」【よち】は、これから起こる出来事を先に気付くことを意味します。
大噴火や地震など、知られている前兆から分析できる事象の説明に用いられる用語です。
漢字の「予」は前もってという意味を、「知」は感じ取る、分かるという意味を持ち、これらの漢字を組み合わせた「予知」は、これから起こる出来事が分かることを表しています。
「予知」は、科学的根拠の上に成り立って分析しているとは限らない見当のこと、かつ「予感」や「予言」などの感覚的で精度の低い情報とも異なるものです。
今後起こる地震について述べるときは、データに基づく分析であっても「地震予知」という呼び方をすることがあります。
そのほか、感覚的に未来の出来事を察知することも「予知」にあたります。
たとえば、動物や植物は災害などを「予知」をすることがあるといわれます。
「予測」と「予知」の違い
「予測」と「予知」の違いを、分かりやすく解説します。
「予測」は科学的根拠に基づいて、起こり得る出来事の見当をつけること。
「予知」はこれから起こりうる出来事を知ること、分かることです。
両者の大まかな違いは「科学的知見に基づく分析か、そうでないか」です。
「予測」は法則や過去のデータなど科学的根拠に基づいて分析したもので、科学的根拠はないが精度が高い見当は「予知」と呼ばれています。
「予測」「予知」は、今後起こる地震について述べる場面で出てくる用語です。
地震の「予測」と「予知」には概念のはっきりした境目がないといわれますが「予知」との呼び方が好まれます。
これは、地震の予測に法則がないことも理由のひとつですが、地震は被害を抑えるために「前もって知る」ことが重要です。
そのような理由からも「予測」より「予知」が好まれる背景がうかがえます。
まとめ
今回説明した「予測」と「予知」は、出来事を推し測る時に科学的知見を用いたか用いていないかの違いがあります。
「予」がつく用語には「予測」「予知」のほかに「予想」「予見」「予感」など多数の種類があるので、それぞれの意味と適切な使い分けを把握しておきたいものです。