「交代」と「交替」の違いとは?分かりやすく解説

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「交代」とは?

「交代」とは、役割などを入れかえること、入れかわること、という意味で使われる言葉です。

「交」という漢字は、「ま-じる」「ま-ぜる」「まじ-わる」「か-わす」などのほかに「こもごも」といった読みも持ち、かえる、入れかえる、かわるがわる、という意味で使われます。

「代」という漢字は、「ダイ」「か-わる」「よ」「しろ」などの読みを持ち、かわる、かわって行う、という意味で使われます。

「交替」とは?

「交替」も、意味合いとしては「交代」と大差なく、役割などを入れかえる、入れかわることを表す言葉です。

「替」という漢字は「テイ」「か-わる」「か-える」という読みを持ち、かわること、入れかわることを意味しています。

「交代」「交替」も、とても似た意味の言葉だとわかります。

「交代」と「交替」の違い

「交代」とはとくに、仕事を引き継ぐなど、一度限りで役割を入れかわるときに使われます。

一方、「交替」は、一つの仕事を何人かのローテーションで行うなど、何度も入れかわるときによく使われています。

異動など、一度限りの入れかわりには「交代」を、掃除当番など、何度もする入れかわりを「交替」と書く、ということです。

「交代」の使用例

一度限りの入れかわりを表す「交代」が具体的にどのように使われているか見ておきましょう。

例文を見ておくとよくわかります。

「交代」の例文1

「政権交代の可能性を探る」「政権交代」

とは、与党、つまり行政権を持つ政党がAからBへと入れかわることを意味します。

一党のみが力を持ちすぎず、バランスを保つには、与党と野党のパワーバランスが重要といわれています。

「交代」の例文2

「1年間の任期が終わり、PTA会員を交代する時期になった」

自治体の役員や子ども会など、大人になるとさまざまな組織に所属することを求められ、ときには肩書きを得ることもあります。

一度やれば終わるものを「交代」と言いますが、たとえば自治会の役職が何度も回ってくる、というような場合には「交替」とするといいでしょう。

「交代」の例文3

「振るわない選手は交代を言い渡される」

野球などでは、実力不足の者や、その日は力を発揮しきれていない場合などに、ほかの選手との「交代」を指示されます。

本人の気持ちの切り替え、温存のためにも、その日の試合のためにも必要でしょう。

「選手交代」は何度でもされることですが、一試合につき一人一度のものを、「交代」という漢字で表します。

「交替」の使用例

「交替」の使用例も見ていきます。

「交代」の例文と比較しながら見ておくと、「交替」の使い方がよくわかります。

「交替」の例文1

「選手が交替する」

野球の場合には「交代」を使いますが、バレーボールなど、何度も入れかわるスポーツでは、「交替」の字を使って、「選手交替」となります。

競技が異なれば漢字がかわりますので、「交代」「交替」の差をしっかりと覚えておきましょう。

「交替」の例文2

「帰りは交替するね」

運転など、かわるがわる行うものの場合には、「交替」を使います。

家の中でのごみ捨て当番なども「交替」ですると、家族誰かに負担が大きくならずに済みます。

「交替」の例文3

「昔は2交替の勤務だったので、寝る暇がなかった」

交替制、交替勤務と呼ばれる勤務体制のことは、「交替」の漢字を使用します。

一度きりの人事異動などでなく、何度も入れかわるものは「交替」となります。

「交代」と「交替」の使い方の例外もある

「参勤交代」は、何度も行うものなので、古くは「交替」の字を使っていましたが、現在では「交代」の字を用いるのが一般的とされています。

また、メディアでの表記は「交代」に統一されています。

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