「以降」の意味とは?
以降は「いこう」と読み、その時も含んだ上である時からそれより後、という意味になります。
例えば「平成20年以降」「2019年以降」という場合、平成20年や2019年を含んでそれよりも後、ということになり、過去や未来に対しても使える特徴があります。
例えば「1955年以降、日本は経済を大きく発展させた」と言えば1955年を含んでそれより後、日本は経済を発展させてきた、と表現でき、過去についても表現できます。
「来月以降のスケジュールはまだ決まっていません」と言えば、来月も含んでそれより後のスケジュールは決まっていない、という意味になり、未来について表現できることがわかります。
「以後」の意味とは?
以後という表現は「いご」と読み、これには2つの意味があります。
まず、その時点を含んでそれよりも後、という以降と似た意味があります。
例えば、「昼間は仕事で出かけていますが、20時以後は家にいます」という表現が可能です。
20時というところにポイントを置いていることがわかります。
また、今から後、という意味もあり、「以後注意いたします」と表現することが可能です。
「以来」の意味とは?
以来は「いらい」と読み、ある時から今までずっと、という意味を持ちます。
過去のある時点にスポットを当て、そこから今日までを表すことが可能です。
この表現は将来のことに関しては使えません。
「離婚して以来、男性とお付き合いはしていません」「ここに引っ越してきて以来、専業主婦として生活しています」といった使い方があり、これらは離婚してから今まで付き合ったことがない、引っ越してから今まで専業主婦だった、ということになります。
ただし、これから後どうなるかはわかりません。
「以降」と「以後」の違い
以降と以後はよく似た表現ですが、大きな違いは、以後という表現は今から後という意味でも使えることです。
例えば、「以後気をつけます」とは言えますが、「以降気をつけます」という表現は適切ではありません。
また、以降という表現の方が継続している様子を伝えるニュアンスを強く持っています。
例えば、「試験範囲は教科書の30ページ以降」とは言えますが、「30ページ以後」とは言いません。
それに対し、以後という表現はその時に重点を置き、それから後を指しています。
「4時以後に届けてください」と言えば、4時よりも後、ということを強調しています。
「以降」と「以来」の違い
以降という表現はその時を含めてその後ずっと、という意味になり、過去や未来に対しても使えます。
以来という表現は過去のある特定の時点から現在に渡るまでずっと、という意味になり、未来のことに関しては使えないという特徴があります。
「以後」と「以来」の違い
以後、という表現にはその時点を含んでそれから後、という以降と同じ意味がありますが、最も大きな特徴は今から後という使い方が可能だということです。
それに対し、以来という表現ならば過去のその時点から現在までを表すことが可能です。
以来という表現はあくまでも今までの状態を指しますので、以後とは異なります。
「以降」と「以後」と「以来」の使い分け
以降、以後、以来は意味が似ていますので、正しい使い方ができていないかもしれないと不安な人もいるかもしれません。
ここではそれぞれの表現を用いるケースについて紹介します。
「以降」を用いるケース
これはその時よりも後、その時を含んでそれから後、ということになります。
例えば「4月1日以降、入場料が高くなります」と言えば、4月1日を含んでそれより後は入場料が上がる、ということになります。
「以後」を用いるケース
これは以降と同じく、その時を含んでそれよりも後、という意味がありますので、例えば「3時以後は在宅しています」と表現できます。
この場合は3時を強調し、3時より後ならば家にいる、ということになります。
また、今から後、という意味がありますので、「以後はグループ活動にします」という表現も可能です。
これは今から後はグループ活動をしましょう、ということです。
「以来」を用いるケース
これはその時から今まで、という意味で、ある一定の時から今日に至るまでを指します。
「卒業して以来、彼女には会っていない」という表現ならば卒業式を最後に彼女には会っていない、ということになります。
「気象庁の開設以来、記録的な豪雪だった」といった使い方ならば気象庁が開設した後、ここまで記録的な豪雪はなかった、という意味になります。