「件の件」は正しい日本語?
「件の件」は、無理に両方とも漢字にしてしまったことでこのような表記になってしまった例でもあります。
1つの漢字で複数の読み方があったり、色々な意味で使われることは特に珍しくありませんが、同じ漢字が絡むとこのような言葉になってしまう場合があります。
「件の件」の意味とは?
「件の件」は、最初の「件」に相当する内容の「件」という意味になる言葉です。
よって、これだけでは意味を成さない表現で、最初の「件」の内容がはっきりして初めて何のことだか分かります。
例えば、それが「工事の日程」だった場合、その「工事の日程の件」という意味になります。
その為、この言葉が使われる以前に最初の「件」についての話があった(または、文章などで説明があったような)場合のみ、使うことができる表現になります。
「件の件」の読み方
「件の件」は、「くだんのけん」と読んでください。
この「件の件」と使って間違えだと思われたり、意味が分からなくなってしまうと思った場合には、「くだんの件」と表記するといいでしょう。
実際にもこの言葉を使う時には「くだんの件」とすることが多く、「件の件」は無理に両方とも(特に最初の方まで)漢字にしてしまった、日本語としてあまりいい使い方とは言えません。
「件の件」の表現の使い方と注意点
ここまでの説明のように、「件の件」という使い方はなるべくならするべきではありません。
日本語として成立こそしているものの、せめて最初の「件」を平仮名にした「くだんの件」と使うのがいいでしょう。
更に、その「くだん」に該当する内容をそのものに置き換えた方がもっと分かりやすいのは言うまでもなく、先の例のように「工事の日程の件」などとそのまま表すのが一番です。
無理に短く略そうとした為に反って分かりにくくなってしまっては、言葉の使い方として本末転倒というものです。
「件の件」の言い換え
「件の件」は、以下のように言い換えることができます。
意味は一緒で、これらの方が普通に使われている言葉です。
「例の件」【れいのけん】
「例」の内容に相当する件という意味で、普通に使われている表現です。
こちらに言い換えれば何のことだか分からないということはまずなく、推奨される言い換え表現になります。
「さっきの件」【さっきのけん】
「件の件」という表現の最初の「件」について話したのがつい先ほどという場合には、この言葉で言い換えることができます。
「先ほどの件」としても同様で、これだけで相手が何の件のことか分かれば問題ありません。