「伏魔殿」とは?意味や使い方、例文など分かりやすく解釈

「伏魔殿」とは?意味と使い方

この記事では、「伏魔殿」の意味を分かりやすく説明していきます。

「伏魔殿」とは?意味

「伏魔殿」「ふくまでん」と読み、意味は以下の通りです。

1つ目は「魔物が潜んでいる城」という元の意味で、いかにも不気味で物の怪が潜んでいる建物のことです。

2つ目は転じて「見かけは良さそうに見えても、内部では悪事や陰謀などが絶えず行われている所」という意味で、表向きは健全そうに見えても、内部では悪い企みや汚職などが当たり前になっている組織のことです。

上記に共通するのは「悪いものが潜んでいる」という意味です。

「伏」「隠れて表面に現れない」「ひそむ」という意味、「魔」「人の心を迷わせたり害を与えたりする物の怪」「殿」「との」とも読み「大きくりっぱな建物」という意味、「伏魔殿」「人の心を迷わせたり害を与える物の怪が隠れ潜んでいる豪華な建物」になります。


「伏魔殿」の概要

「伏魔殿」の由来は、中国の歴史的書物である「水滸伝」に記されている内容からきています。

「水滸伝」は、「梁山泊」という根城に、「宋江」というリーダーを中心に108人の英雄が集まり、山賊として当時の北宋王朝に謀反を企てるというフィクション作品です。

この108人の英雄は、実は108の魔が込められている星の生まれ変わりとされています。

物語の冒頭で、洪進という人物が、魔の潜む宮殿に入り込み、封印を解いてしまった為に、魔王が解き放たれて108の星として散り、英雄たちに生まれ変わりました。

「水滸伝」はそこから始まる物語です。

この「魔王(魔星)」が潜んでいた宮殿として「伏魔殿」という言葉が使われる様になりました。

現在では政治家が自ら大臣を務めていた外務省に対して「あそこは伏魔殿の票な所だ」と発言したことで注目されました。


「伏魔殿」の言葉の使い方や使われ方

「伏魔殿」の言葉の使い方や使われ方は以下の通りです。

『あの部署は伏魔殿の様だ』

会社で平和そうに見える部署ですが、実は中で人間関係がドロドロして、いじめや足の引っ張り合いなどがあることを表しています。

『伏魔殿の様な実家で義両親と暮らしたくない』

結婚して義両親から同居を求められているのですが、義両親から何かといびられたり、古い価値観を押し付けられたりなどします。

嫁としてはとても居心地の良い場所ではなく同居しかねるという意味で使われています。

『あのママ友グループは伏魔殿だ』

ママ友同士で仲良くなり、グループとして付き合っていたものの、実はボスママが存在して言いなりにさせられたり、マウンティングを取られたりして、精神的に辛い思いをしたことを表しています。

「伏魔殿」の類語や言いかえ

「伏魔殿」の類語や言いかえは以下の通りです。

「悪の巣窟(あくのそうくつ)」

「悪の巣窟」は、「悪人が隠れ潜んでいる所」「悪いことが行われている大元」という意味です。

「巣窟」「住処(すみか)」「悪党の潜むところ」という意味があります。

「魑魅魍魎(ちみもうりょう)」

「魑魅魍魎」「自然界にいるあらゆる怪物」、転じて「裏で私利私欲のために活動する者」という意味です。

「魑魅」は山の物の怪、「魍魎」は水の物の怪という意味です。

まとめ

今回は「伏魔殿」について紹介しました。

「伏魔殿」「内部で悪事や陰謀などが絶えず行われている所」と覚えておきましょう。

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