この記事では、「似非」と「偽」の違いを分かりやすく説明していきます。
よく似ているように見える2つの言葉には、どのような違いがあるでしょうか。
「似非」とは?
「似非」という言葉には、どのような意味があるでしょうか。
「似非」は「えせ」と読みます。
「似非」には「似ているが、本物ではない、偽物」という意味があります。
例えば、「似非科学者」という場合は、科学に詳しく知識があるものの、正式に科学者と呼べるような立場にいないことを示唆します。
また、芸能人ぶっているけれど、たいして芸能活動ができていない人に対して、「似非芸能人」などと悪口をいうこともあります。
一方で「似非」には「つまらない、とるにたりない、質が悪い」という意味があります。
古典などに使われている時代の意味で、「似非牛(えせうし)」には、「質の悪い牛」という意味があります。
一般的に使用されているのは前者になるため、こちらの意味を覚えておくといいでしょう。
「偽」とは?
「偽」という言葉には、どのような意味があるでしょうか。
「偽」は「にせ」と読みます。
「偽」には「本物に似せて作ること。
本物のように見せかけること」という意味があります。
本物に似せて作るもの全般を「偽物」と呼びます。
例えば、本物のダイヤのように見せて、高値で取引しようとするガラス玉を「偽ダイヤ」と呼びます。
また、本当の子供のふりをして、詐欺行為を行う人は、「お金をだまし取る偽の子供」などと表現できるかもしれません。
さらに、高級ブランドに似せて作った安物のバッグを「偽ブランドのバッグ」、さらに、才能のある選手ぶって、実は実力も才能のない選手は、「あいつは偽物だ」などと呼ばれてしまうことがあります。
「似非」と「偽」の違い
「似非」と「偽」の違いを、分かりやすく解説します。
「似非」には「似ているが、本物ではない、偽物だ」という意味があります。
「偽」には「本物に似せて作ること。
本物のように見せかけること」という意味があります。
「似非」が「似て非なること」を意味するように、「似非」は「似ているけれど別物」であるのを意味するのに対して「偽」は「似せる」から派生した言葉とされています。
「偽」は「本物のように似せること」を意味するため、能動的になります。
「似非」は、本人は無自覚だけれど、似てしまっているという可能性があります。
しかし、「偽」は始めから本物に似せようとしているという点に違いがあります。
このように、「似ているけれど、違う物」が「似非」、「似せようとしているけれど、違う物」の場合は「偽」だと覚えておくといいかもしれません。
まとめ
「似非」と「偽」の違いについて見てきました。
2つの言葉はよく似ていますが、明確な意味の違いがありました。
より悪意があるのが「偽」で、悪意がないかもしれないのが「似非」となります。
2つの言葉の意味の違いを知り、使い分けてみてはいかがでしょうか。