この記事では、「余裕」と「ゆとり」の違いを分かりやすく説明していきます。
「余裕」とは?
「余裕」には2つの意味があります。
一つは、なくてはならない分を使っても、なお残りがあることです。
限度いっぱいまで、まだ残りがあることです。
生活費のことで考えてみます。
あるる家庭の月収は35万円です。
食費、水道光熱費、家賃など、生活をするために必要なことにかかる費用は、月に25万円です。
収入35万円から出費25万円を引くと、10万円があまります。
この10万円が、なくてもならない分を使っても、なお残っている部分です。
また、使える分の金銭35万円までまだ残りがあるということもできます。
このような、必要以上にあること、限度までまだあまりがあることを「余裕」といいます。
もう一つの意味は、落ち着いてのんびりしているさまです。
とくに、心が窮屈でないさまをいいます。
朝の忙しい時間に、子どもが飲み物をこぼして片づけなければならなかったり、洗濯物を干したりしなければならいとき、のんびりしていることは難しいでしょう。
このとき、心に「余裕」がなくなっています。
休日は、多少起きる時間が遅くなっても、ゆっくり朝食を食べたり、のんびりテレビを見たりしていることができます。
このときには「余裕」があります。
「余裕」の使い方
必要な物に使っても、まだあまりがあることに使用をしたり、気持ちがゆったり落ち着いていることに使用をしたりします。
「ゆとり」とは?
限界までまだあまりがあること、空間に残りがあること、気持ちがゆったりしていることです。
家庭の経済状況のことで考えてみます。
毎月40万円の収入を得ていたとします。
一生懸命節約をしなくても、出費は月に30万円です。
まだ使える分が10万円あります。
これは、まだあまりがあり、「ゆとり」があるということができます。
今度は座席のことで考えてみます。
学校の運動会でシートを敷く場所を確保しておきました。
運動会がはじまってみると、まだまだ空間に幅があります。
そのため、隣のシートとの間はだいぶ空いています。
このさまを「ゆとり」があると表現できます。
「ゆとり」の使い方
限界までまだあまりがあることや、窮屈でないという意味で使用をします。
「余裕」と「ゆとり」の違い
必要な分を使ってもまだあまりがある、限界までまだあまりがある、という意味では、どちらも同じです。
運動のポーズなどで、「余裕があれば腕を上げてください」という場合、まだ体を動かすことができるといった意味になります。
体を動かせる限界まで、まだ達していないといった意味です。
「ゆとりがあれば腕を上げてください」とはいいません。
「余裕」の例文
・『余裕でクリアする』
・『経済的な余裕がある』
「ゆとり」の例文
・『ゆとりのある空間』
・『ゆとりのある服』
まとめ
2つの言葉は、必要な分を使ってもまだあまりがある、という意味が同じです。
しかし、使い方によってやや意味合いが異なる場合があります。