この記事では、「依頼」と「要望」の違いを分かりやすく説明していきます。
「依頼」とは?
「依頼」には2つの意味があります。
一つは、やって欲しい仕事を他人に伝えることです。
食事管理のことで考えてみます。
あるスポーツ選手は、コンディションを保つために食事に気をつけようと考えました。
自分で食事管理をするのは難しいため、管理栄養士の力を借りることにしました。
管理栄養士に対して「食事の管理をしてください」と伝えたのです。
この場合は「食事の管理をしてください」というのが、やって欲しいことです。
それを人に伝えています。
スポーツ選手が体の状態を保つことは仕事の一部で、管理栄養士も仕事でやっていることなので、これは仕事に関係することになります。
このように、人に対してやって欲しい仕事を伝えることが「依頼」です。
もう一つの意味は、他人に期待をすることです。
やってくれるだろうと期待することを意味しています。
心の中で思っていることで、実際にはやって欲しいことを口に出してはいません。
洗濯物を外に出したまま家を出てきたとします。
外出中に雨が降ってきてしまいました。
家には家族がいます。
何も言わなくても家族が洗濯物を取り込んでくれるだろうと期待して、洗濯物の取り込みを、外出先から電話して伝えることはしませんでした。
この行為は、他人に期待しているということができます。
「洗濯物を取り込んでくれるだろう」と期待しているのです。
しかし、実際には口にしていません。
こういった行為を意味しています。
「依頼」の使い方
業務や事務に関して使われることが一般的です。
業務などでやって欲しいことを人に伝えるという意味で使用をします。
「要望」とは?
「要望」には、物事が実際のものとなることを強く願うという意味があります。
相手に求めることを指しています。
ある飲食店のテラス席設置のことで考えてみます。
この飲食店には、もともとテラス席はありませんでした。
飲食店の周囲は自然に囲まれていて、外で食事をしたら気分がいいだろうと考える客がいました。
こういった客から「テラス席を設置して欲しい」という願いが出ていました。
絶対にこうでなければならない、というものではなく、そうなって欲しいという希望です。
希望ですが、やってもやらなくてもいいという弱いものではなく、実現を願う強い気持が込められています。
このような、実現することを強く希望することを「要望」といいます。
「要望」の使い方
ある事柄が現実のものになることを強く希望するという意味で使用をします。
公的な事柄や仕事などで使用され、家族や友人に対して日常会話で使うことは少ないです。
「依頼」と「要望」の違い
どちらの言葉にも願うという意味が含まれていますが、同じ意味ではありません。
前者の言葉は、こうして欲しいと伝えることです。
後者の言葉は、実現を願うことです。
まとめ
願うという意味を持つ2つの言葉ですが、一方はやって欲しいことを伝えて願うこと、もう一方は現実になることを願うことで、意味合いが違います。