戦争をテーマにした小説やテレビのニュースなどを読んでいると、「催涙弾」と「閃光弾」という似た言葉に出くわすことがあります。
この記事では、「催涙弾」と「閃光弾」の違いを分かりやすく説明していきます。
言葉の違いに迷ったときの参考にしてみてください。
「催涙弾」とは?
催涙弾とは、投げると涙がとまらない爆弾のひとつです。
死にいたる毒性は無いものの投げた相手に強烈な痛みを与えるので、デモ隊に対して軍隊や警察がつかう場合もあります。
催涙弾の中には炭酸マグネシウムなどの催涙剤がふくまれています。
また最近ではOCガスと呼ばれる、唐辛子由来の自然成分がはいることもあります。
催涙弾は戦争にも使われた歴史がありますが、1925年のジュネーブ条約にて戦争中の使用は原則として禁止されています。
ただ一方で民間に対する取り締まりはなく、2019年には香港のデモを制圧するために地元警察によって催涙弾がつかわれました。
また2021年にはミャンマー国軍が、住民宅へ催涙弾を投げこむ騒動もおこっています。
質のわるい催涙弾には皮膚病などの健康被害がのこることもあり、行き過ぎた使い方に戸惑いの声もあがっています。
「閃光弾」とは?
閃光弾とは目を見開いていられないくらいの、強烈な光の爆弾のことです。
爆弾に火をつけて投下すると、閃光弾にはいっている成分と酸素が結合して大きな光のエネルギーが生まれます。
このとき閃光とよばれる火の玉があらわれるため、投げられた相手はパニックになり動けなくなります。
閃光弾は海外の警察や軍隊などが、犯罪者のスキをつくために使うことが多くなっています。
閃光弾から身を守るためには特殊な訓練が必要で、特殊なゴーグルなどを装備していないと難しいくらい破壊力があります。
日本ではSATと呼ばれる特殊部隊が、テロ対策の一環として閃光弾をつかった訓練を定期的におこなっています。
「催涙弾」と「閃光弾」の違い
ミリタリーの世界でよく耳にするのが「催涙弾」と「閃光弾」です。
どちらも爆弾の名前なので、間違えて覚えてしまうこともあります。
「催涙弾」と「閃光弾」の違いを、分かりやすく解説します。
・涙を流すか、流さないか
どちらも相手の目をくらませ、次の行動がとれないようにする爆弾のことを指します。
目的は同じですが催涙弾は特製の催涙剤がはいっているため、投げられると涙が止まらないこともあります。
一方で閃光弾は目くらましの意味合いがあります。
催涙剤などは入っていないので、涙が出ることはほとんどありません。
まとめ
デモを制圧するとき、テロを抑止したいとき、国内外の警察や軍隊がつかうのが「催涙弾」と「閃光弾」になります。
どちらも投げられた相手は強烈なショックを受け、何もできない状態になります。
海外では治安の悪化にともない「催涙弾」と「閃光弾」が使われるケースが増えています。
これらの爆弾が使われることのない、平和な世の中になって欲しいものです。