この記事では、「冊」と「部」の違いを分かりやすく説明していきます。
「冊」とは?
「冊」の主な意味は5つあります。
1つめは、ふみ、とじた書物です。
ふみは、手紙、書物のことです。
文書で書き記したものを指しています。
書物は、本、書籍ともいいます。
何枚もの紙を一つにまとめたものです。
たとえば「冊子」「別冊」などがこれにあたります。
2つめの意味は、書物を数える語です。
ものによって数え方が違います。
ヒトなら人、ウサギなら羽、メダカなら匹をつけて数えます。
書物の場合は「冊」で数えます。
1冊、2冊などとなるのです。
3つめの意味は、ふだ、書きつけです。
ふだは、目的とすることを書いて、人に示したり渡したりするものです。
七夕飾りに使用する「短冊」がこれにあたります。
書きつけとは、記録をするために書いて記したものをいいます。
金銭の貸借を示すために用いられるものも指します。
4つめは、中国で天子の任命書です。
5つめは、たてるです。
「冊」は訓読みで「たてる」となります。
「てる」が送り仮名です。
「冊」の使い方
書物を指して使用したり、書物を数えるときに使用したりします。
「部」とは?
「部」の主な意味は6つあります。
1つめは、わける、わけたものです。
「部品」「部分」などの「部」です。
部分とは、全体の中のひとつひとつのことをいいます。
全体からわけたもののことです。
2つめの意味は、すべる、統率するです。
全体をまとめることを意味しています。
たとえば、複数人が所属している組織なら、その中に所属するものをまとめる存在がいることでしょう。
その人が行っていることが、すべる、統率するが意味するものです。
全体がバラバラにならないようにしています。
3つめは、組織上の区分です。
「部署」「部員」などを意味しています。
4つめは、集落、むれです。
「部族」などの「部」になります。
部族とは、一定の地域に住み、言語や文化などを共通とする集団をいいます。
5つめは、役所です。
「工部」などのことを指しています。
6つめは、書物や新聞などの数や量です。
数という意味では「100万部」のような使い方をします。
量という意味では、多い少ないなどの程度を指して「大部」などといいます。
「部」の使い方
「野球部」「学部」など組織を指したり、「部品」などひとつひとつを指したり、「100万部」など書物の数を指したりして使用します。
さまざまな使い方がされている語です。
「冊」と「部」の違い
2つの言葉は書物に関する意味が似ています。
「冊」は数えるときに使う語です。
1冊、2冊などといいます。
「部」は程度や数を表すときに使います。
「冊」の例文
・『1冊1200円です』
・『5冊購入します』
・『ぜひ読んで欲しい一冊です』
・『冊子を配る』
「部」の例文
・『野球部に所属している』
・『3万部が売れた』
・『部分にわける』
・『山岳部のメンバー』
まとめ
2つの言葉は書物に関する意味が似ています。