歴史などではよく見かけるけれど普段あまり使われない言葉として「凶刃に倒れる」があります。
この言葉は具体的にどういうときに使われるのでしょうか。
今回は、「凶刃に倒れる」の意味や類似表現などを紹介します。
「凶刃に倒れる」とは?意味
「凶刃に倒れる」とは「志半ばで襲撃を受け命を落とす」という意味の言葉です。
「凶刃に倒れる」の概要
「凶刃に倒れる」という言葉は「政治家や活動家など特定の思想のもとに志を抱いて活動している人物が目的を達成する前に思想や活動が原因で敵対する人物や勢力に襲われて殺されてしまう」という意味で使われます。
本来の言葉の意味からすると「不逞の輩に襲われて殺される」という意味になりますが一般的には「思想や信条など主に政治的な理由によって命を奪われる」という状況をさして使われます。
「理不尽に殺されてしまう」というニュアンスが含まれているため、裁判など正式な手続きを経て命を奪われる場合には通常用いられません。
通例的な解釈では「テロによる死亡」を指しますが「警備中の軍人がテロリストに殺される」「警察官が通り魔に命を奪われる」など任務の途中での死亡に対しても「理不尽な死」にあたることから「凶刃に倒れる」と表現します。
「人の手によって命を奪われる」ことを指す言葉なので自然災害や事故などでの死亡は含みません。
悪意を持って襲ってくる相手によって命を奪われるケースのみが「凶刃に倒れる」に当てはまります。
「凶刃に倒れる」の言葉の使い方や使われ方
・演説中に乱入してきた不審者によって大臣が凶刃に倒れる。
・警戒中の警察官が刃物を振り回す男に襲われ凶刃に倒れた。
・凶刃に倒れたリーダーの跡を継いで民主主義運動を率いる。
・彼が凶刃に倒れたことによって我が国の民主化は10年遅れた。
「凶刃に倒れる」の類語や言いかえ
・暗殺される
「政治的理由によって命を奪われる」という意味の言葉です。
もともとの意味は「隠れて命を奪う」「気付かれないように殺害する」というものでしたが、そのような状況が発生するケースの多くに政治的理由が絡むことから転じて現在では特に政治的な理由による理不尽な詩のことを高表現します。
手口は問いませんが「凶刃に倒れる」が刃物や火器など直接的な襲撃のイメージが強いのに対し、こちらは毒物や爆発物など犯人がその場に立ち会わずに殺害されるケースを指して良く使われます。
殺害の背景や首謀者などがはっきりしない場合にも使われます。
・凶弾に倒れる
「凶刃に倒れる」と全く同じ意味の言葉で置き換えも可能です。
違いは殺害の手段です。
こちらは「弾」という漢字でもわかるように弾丸つまり銃器によって殺害されたことを強調しています。
・テロの犠牲になる
「政治目標を達成するために行われる暴力」が「テロリズム」です。
「政治目標を達成しようとするテロリストによって殺される」という意味の言葉で「凶刃に倒れる」とほぼ同じ意味合いです。
紛争地帯などテロが横行する地域でのテロ攻撃による死亡を特に指す言葉ですが、平和な国で発生した政治や思想を理由とする殺人もテロの一種でありどのような地域で死亡した場合でも使える表現です。
まとめ
「凶刃に倒れる」は日常生活ではまず使うことのない言葉ですが、歴史書などには頻繁に登場する一般的な表現です。
意味を知っておかないと歴史の理解に支障が出てしまうのできちんと覚えておきましょう。