色々なニュースによく登場するのが「刑法」と「民法」です。
この記事では、「刑法」と「民法」の違いを分かりやすく説明していきます。
説明しにくい用語の差を、今のうちに学習しておきましょう。
「刑法」とは?
刑法とは、悪い行いを取り締まるための国の法律のこと。
具体的な刑について、くわしく記載した法律のことです。
たとえば銀行強盗をした犯人が、警察に捕まったと仮定します。
犯人は検察の手で、裁判所におくられます。
このときに裁判官が必ず目をとおすのが「刑法」です。
刑法と照らし合わせながら、犯人にどの程度の量刑をあたえるべきか考えます。
どんなに優秀な裁判官でも、人が人をさばくには限界があります。
刑法があるからこそ、公正な裁判をおこなえるのです。
裁判官にとってのマニュアルとなる刑法は、とても重要なものになっています。
「民法」とは?
民法とは、個人と個人のトラブルについて書かれた法律のこと。
家族や知人など身近な人同士のいざこざについて、まとめた指針のことです。
たとえば夫と妻の間で、離婚に向けて揉めているとき。
当事者同士ではケンカになってしまい、なかなか解決できないこともあります。
民事裁判まで発展したときに、役立つのが民法。
民事裁判では裁判官が民法に照らし合わせながら、判決をくだします。
民法があることによって、こういうケースはこうという、ひとつの手引きが示せます。
色々な立場の人がスムーズにトラブルを解決できるように、ルール・概要を決めているのが民法なのです。
「刑法」と「民法」の違い
どちらも法律にまつわる用語です。
「刑法」と「民法」の違いを、分かりやすく解説します。
・刑事罰があるのが刑法
刑法と民法はどちらも裁判に登場する言葉ですが、大人でも説明がむずかしいことがあります。
刑法と民法の大きな違いは、その目的です。
刑法は罪を犯した人が、どのくらいの刑に値するか定めたもの。
殺人事件が窃盗事件なのか、事件の内容によっても被疑者にあたえる刑は変わってきます。
犯罪者の量刑を決めるための、国家の法律が刑法です。
対して民法とは、民(個人)と民(個人)のトラブルを解決するための法律です。
個人同士では解決できないトラブルを、円満に解決していくための指南書となります。
民事裁判になったときには、裁判所が民法をチェックしながら判決をあたえます。
知人にお金を貸したけれども、貸したお金が返ってこない。
離婚の意思があるのに、なかなか別れさせてもらえない。
親族に暴力を受けたので慰謝料を請求したい。
このようなトラブルを解決するのが民法です。
まとめ
「刑法」と「民法」の違いを分かりやすくお伝えしました。
刑法は治安を守るために、犯罪者の罪を決めるための法律のこと。
民法は個人間のトラブルをスムーズに解決するための、民事的な法律です。
どちらも裁判にまつわる用語ですが、その中身は大きく異なっています。
法律や裁判に関する用語を知って、いざという時にそなえておきましょう。