「功を急ぐ」とは?意味や使い方を解説

ことわざ・慣用句

「功を急ぐ」

この功を急ぐ(こうをいそぐ)ということは、誰でもやってしまいがちだと言っていいでしょう。

これをしたことで状況が悪くなった、失敗したといったように使われるので、いい意味は持っていない言葉です。

自分に対して、またはそのような(そう見えた)人に使うことができますが、悪い意味を込めて使う言葉なだけに、相手には注意してください。

「功を急ぐ」の意味

功を急ぐとは、「成功(結果や終わらせることも含みます)を早急に求め過ぎる」という意味で使います。

何より早さが大事だという時には、それも仕方ないと言えることがあるかも知れませんが、その結果、失敗したという時に、原因や理由としてよく使われる言葉です。

「功を急ぐあまり、〜になってしまった」などという使い方が一般的で、いい意味で使われることはありません。

そして、「功を焦る」(こうをあせる)という表現で使うことも可能です。

このどちらでも間違いではありません。

「功を急ぐ」の英語と解釈

功を急ぐは、英語では“eager for success”と表記します。

“eager”には「〜したがる」という意味があり、“success”「成功」です。

この“eager for success”という表現で普通に英語圏で使われています。

“hurry for success”という表現も使えますが、“eager for success”の方が一般的です。

検索サイトを使った検索結果も、“eager for succes”sの方が“hurry for success”の約3倍となっています。

「功を急ぐ」の言葉の使い方

功を急ぐは、「功を急いだ」などと変化させたり、「功に急ぐ」と使われることもあります。

意味としてはどれも一緒ですが、前後の文章との流れによって、そのような形の変化が比較的自由に行えます。

「無鉄砲に」「見切り発進で」といった意味も多分に含む言葉なので、充分な計画もなく、ともかく成功の為に焦っている様子を表現する場合によく使われます。

「功を急ぐ」を使った例文・解釈

功を急ぐを使った例文です。

どれもいい意味としては使っておらず、注意喚起として使っている例もあります。

「功を急ぐ」の例文1

「あの様子は、功を急いでいるようにしか見えない」

周りから見て、とても無理だと思えるような時に、このようにそれを表現されることがあります。

この例文のような形の場合、前述した言い換え表現を使って、「功を焦っているように〜」と置き換えることもできるので、文章として自然だと思える方を使ってください。

「功を急ぐ」の例文2

「彼が1人で功を急いだあまり、周りが大変迷惑していた」

1人が必要以上に急いだ為に、周りがとても迷惑した様子が表現されています。

この「功を急ぐ」は、それが(自分たちにとって)迷惑だという時にもよく使われる言葉で、それなりに見掛ける形の例文です。

功を急いだ為に、困ることになるのは決して自分だけではないのです。

「功を急ぐ」の例文3

「仕事ができる人間だと評価されたいのは分かるが、功を急ぐだけがその方法ではないだろう」

与えられた仕事を素早く終わらせることで、仕事ができるという評価が受けられると思っている人も決して少なくないでしょう。

実際にもそのような評価を受けることができるかも知れませんが、無闇に急ぐばかりが能ではありません。

予定より大幅に遅れてしまうようでは困りますが、多少の早さなどより、丁寧な仕事が認められる要因になることも多いと言えるでしょう。

「功を急ぐ」の例文4

「無理に功を急ぐような必要はないので、注意して取り掛かって欲しい」

必要以上に急ぐ必要はないということを言っている例文です。

このような注意喚起として使う場合も多い言葉で、この形のように使われた時には、「急ぐより大事なことがある」という意味だと解釈することができます。