この記事では、「勿論」と「無論」の違いを分かりやすく説明していきます。
「勿論」とは?
「勿論」は、言うまでもなく。
と言い換えることができ、論じる必要がないほど明確である様子を意味します。
この言葉は、漢語の「論ずる勿れ(ろんずるなかれ)」から作られた言葉で、話し合う必要などなく、すでに結論は出ているといった意味となります。
このような意味から類義語は、「当然」や「なるほど」、「無論」、「当然ながら」が当たります。
「勿論」の使い方
「勿論」は会話の中でもよく使用される言葉で「もちろん」と一言で返事する言葉として使用することも少なくありません。
そこで1つ注意が必要なのが、時と場合によっては、「もちろん」という返答が相手に対し失礼に値する可能性があるということです。
特にビジネスの場で上司に「もちろん」という言葉を使用することで失礼に値する場合もあるため、異なった言葉を選ぶなどといった注意が必要です。
そのほか、「勿論」は、前置詞的に使用することも多く、相手からの質問に対し「勿論です」と応える使い方も多くなります。
このような使い方のほか、「勿論のこと」、「勿論解釈」などがあります。
「無論」とは?
「無論」も「勿論」と同じく、言うまでもなく。
と言い換えることができます。
意味としても「勿論」と同じで、論じる必要がないほど明確である様子を意味します。
由来となる漢語は、「論ずること無し」となり、「論じる余地などない」といった意味となります。
類義語は、「論無」、「当然」、「当たり前」、「言わずもがな」などとなります。
「無論」の使い方
動詞を補う形で用いられることが多い「無論」。
「無論そうである」、「無論のこと」、「無論です」などといった使い方があります。
「勿論」と「無論」の違い
基本的に同じ意味を持つ「勿論」と「無論」。
そんな両者の大きな違いは、口語か文語かといった違いとなります。
「勿論」は、口語で日常会話としても良く用いられる一方、「無論」は、文語となり、文章中に使用されるほか、「勿論」よりも上から目線となるイメージが強い言葉となります。
「勿論」の例文
・『勿論、彼のことは私も好きですよ。』
・『料理は勿論、デザートまで美味しいお店でした。』
・『英語は勿論のこと、彼女は中国語も話すことができる。』
・『今回の件に対し、勿論、例外も発生しています。』
「無論」の例文
・『どんな事情があろうと無論、私には理解することができない。』
・『無論、承知しています。』
・『無論、失敗することがないよう、努力する所存です。』
・『今の世の中において、英語の力は無論、必要な力だと言わざるを得ない。』
まとめ
同じ意味を持つ「勿論」と「無論」ですが、会話で用いられる言葉(「勿論」)か、文章で用いられる言葉(「無論」)かといった違いがあり、それらの違いを踏まえ使い分けを行う必要がある言葉となります。