「厳に」
厳にという言葉は「げんに」と読み、手抜かりがないように十分に気をつける様子、妥協に許さない様子、という意味を指しています。
厳格に、という意味もあり、厳しく、激しく、過酷、厳重に、などといった類義語があります。
ちなみに、「厳かに」という場合は「おごそかに」という読み方になります。
「厳に」の意味
厳にと言えば、特に「厳に慎む」という言い回しが有名です。
過ちを犯さないように厳しい態度を持って臨むこと、間違っても問題を起こさないように厳重に行動を控えること、などを意味しています。
それほどまでに厳にという表現は厳重に、という意味を持っているのです。
「厳に」の言葉の使い方
厳にという表現はきつく、厳重に、という意味ですので注意を促すときによく使われます。
例えば「厳に戒める」、「警戒を厳にしている」などといった使い方があります。
「厳に」を使った例文・短文(解釈)
それならば具体的にこの表現を使うとどのような文章ができあがるのでしょうか。
ここでは厳にという表現を使った例文を紹介します。
「厳に」の例文1
「天皇陛下が訪問されるということで、警視庁は警戒を厳にした」
天皇陛下が訪問されるとなれば、警戒を最大限にして何の問題もないようにしなければいけません。
これは日本国内のみならず、天皇陛下が海外に行くときにはその国で厳重な警備が敷かれます。
また、万が一何かあった時のために、天皇陛下と皇位継承権第1位の皇太子さまは同じ飛行機などには乗りません。
これも将来のことを考え、警戒した上での安全措置になるのです。
「厳に」の例文2
「その問題をどれだけ無視しようとしても、それは私の前に厳に横たわっている」
進学や就職、結婚など、自分の目の前にある問題にはしっかり対処していかなければいけません。
目の前にある問題を無視してしまえば、いつか山積みになった状態でその身に降ってくるでしょう。
解決しなければ次に進めないような状態で問題が山積みになってしまったら大変です。
それだけでもストレスになってしまいますよね。
だからこそ、目の前にある問題は無視するのではなく、一つ一つ解決していかなければいけないのです。
「厳に」の例文3
「このような間違いは二度と起こしてはならないと、教師は生徒たちに厳に注意を促した」
人間は誰しも過ちを犯すものです。
しかし、やはり過ちは度合いにもよりますが、二度と繰り返さないように気をつけなければいけません。
それが過失であったとしても、他の人を傷つけるような過ちは許されませんし、取り返しがつかないような過ちも困ります。
だからこそ、子供たちが過ちを犯した場合は教員たちはしっかりと指導をしていかなければいけません。
厳に注意を促し、子供たちが二度と同じ過ちをしないよう、大人たちも工夫をしていかなければいけないのです。
特に警察が関わるような過ちを子供たちが犯した場合、保護者も交えてしっかりと子供たちに注意をしていかなければいけません。
また、注意をするだけではなく、なぜそのようなことをしたのか、大人が理解することも大切です。
「厳に」の例文4
「あそこの屋上から何回か転落事故があったから、今では屋上に行くことが厳に禁じられているんだよ」
学校などでも、屋上へ通じる扉は鍵がかかっていて屋上に行くことができなかった、という経験を持つ人もいるのではないでしょうか。
学校等の屋上は4階や5階などにあたり、非常に危険です。
転落事故が起こった場合、命に関わる事故にもなりえます。
だからこそ屋上への扉は鍵がかかっていることが多いのです。
鍵がかかっていなかったとしても、実際に転落事故などが起こってしまうとそこには立ち入らないように、厳重に注意されることがあります。