この記事では、「収束」と「終息」の違いを分かりやすく説明していきます。
「収束」とは?
「収束」には4つの意味があります。
1つめは、混乱や分裂していた状態が、まとまって落ち着いた状態になることです。
会議で意見が別れ、これからどうするのか言い合いが始まってしまいました。
しかし、それぞれが話し合うことで、話しがまとまって落ち着くことができました。
この場合「争議が収束する」ということができます。
2つめは、数学で、ある数に限りなく近づくことです。
3つめは、多くの光の線が一つの場所に集まることです。
レーザーはこの光を利用しています。
多くの光線が一か所の集まることで、光の力が強くなります。
普通に虫眼鏡で紙を見ても紙が燃えることはありませんが、光を一か所に集めると紙が燃えてしまうのも、光の力が大きくなったり、熱が集まるからです。
4つめは、海洋で、流線が周囲から一点に向かって集まることです。
「収束」の使い方
いくつかの意味がありますが、混乱・分裂していた状態がまとまって落ち着くという意味で使われることが多いです。
「終息」とは?
続いていたことがひとまず終わることです。
「終」はおわる、おしまい、「息」はやめる、おわるという意味を持つ漢字です。
つまり、「終息」とは終わるという意味を持つ漢字を2つ重ねていることになります。
自然のことなので、大雨はいつ止むかわかりません。
ずっと続いていた大雨が終わったとしたらそ、それは「大雨が終息する」ということができます。
続いていたことが、そこでなくなるという意味です。
続いていたことがひとまず終わることで、その後は以前の状態にずっとならないという意味ではありません。
また、以前のような状態に戻る可能性があるのです。
たとえば、インフレです。
インフレは、ひとまず終わったと思われる状態になっても、また起こる可能性があります。
決着がついて終わるという意味ではありません。
たとえば、決着がついて戦争が終わることは「終息」よりも「終結」といった方が自然です。
「終息」の使い方
続いていたものがひとまず終わることを指して使用をします。
「収束」と「終息」の違い
終わるといった意味合いのある2つの言葉ですが、それぞれの言葉の意味は異なります。
前者は、まとまりがつくという意味合いです。
混乱・分裂していた状態が落ち着くことをいいます。
後者は、続いていたものがおしまいになることです。
「収束」の例文
・『早く収束するように祈っています』
・『問題は収束に向かった』
・『内戦は収束した』
・『収束したかにみえた』
「終息」の例文
・『事態は終息しそうだ』
・『この件をはやく終息させたい』
・『近いうちに終息するでしょう』
・『その騒動は半年ほどで終息した』
まとめ
終わるといった意味合いのある2つの言葉ですが、一方は混乱や分裂していた状態が収まること、もう一方は続いていたものが終わることを意味しています。