「損益」と「利益」 の違いとは?分かりやすく解釈

「損益」と「利益」 の違いとは?違い

この記事では、「損益」「利益」の違いを分かりやすく説明していきます。

「損益」とは?

「そんえき」と読み、減ることと増えること、減らすことと増やすことを意味しています。

損益は相反する意味の漢字の組み合わせなので、分かりにくい言葉です。

損失と利益のことという意味もあります。

全ての取引を貸方と借方から記入する方法を、複式簿記といいます。

複式簿記では、日々の取引を記録しておき、集計し、一定期間のお金の動きを、損益計算書とキャッシュ・フロー計算書、貸借対照表にまとめます。

損益計算書とは、収益・費用・利益から成り立つ決算書のひとつで、P/Lとも呼ばれます。

企業が、一定期間のうち、どれだけの収益をあげ、どれくらい費用がかかり、利益がいくらあるのかを表すものです。

また、管理会計上で、売上高と費用の関係が等しくなるところを「損益分岐点」といいます。

損益分岐点は、黒字と赤字の境目だといえます。


「損益」の使い方

名詞として、「損益を計算する」「損益はわからない」などと、使用します。

会計の処理では、期末に収益や費用を移動するときに使います。

売上や、仕入れの残高などを、「損益」という勘定にかえて、締め切ります。

貸方の損益と借方の損益を比べ、利益があるかどうかを計算していきます。


「利益」とは?

「りえき」と読み、事業などをして得るもうけのことです。

又は、得になること、益になることをいいます。

対義語は、「損失」【そんしつ】です。

損益計算書では、収益から費用を差し引いたものを「利益」といいます。

「利益」の使い方

名詞として、「利益のため」「利益を計算する」などと、使用します。

事業などで、もうけのことについて話すときに使います。

損益計算書では、売上総利益、営業利益、経常利益、税引前当期純利益、当期純利益の5種類があります。

最終的な利益は、当期純利益になります。

「損益」と「利益」の違い

損益は、損失と利益のことです。

損益は損失が出るときにも利益が出ているときにも使います。

それに対し、「利益」はもうけのことです。

損益は、利益の反対だと誤解されることがありますが、そのような意味はありません。

利益の反対は損失です。

「損益」の例文

・『このイベントの損益は、どうなっているのかと社長に聞かれた』
・『損益分岐点を分析するのは、とても面白いです』
・『株式投資のために、損益計算書の読み方を勉強しました』
・『投資信託の評価損益を計算してみたら、思っていたのとは違っていて、がっかりした』

「利益」の例文

・『あの社員は、怠けてばかりいるので、会社の利益にならない』
・『利益率の計算を間違えるようでは、経理は務まりません』
・『趣味が高じて仕事になり、利益が出るようになりました』
・『自分の利益しか考えない行動は、結果的には損になってしまうことも多い』

まとめ

「損益」「利益」は一文字違いですが、意味は違います。

違いを知って、役立ててください。

違い
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