「同じ穴の狢」とは?意味や使い方、例文など分かりやすく解釈

「同じ穴の狢」とは?意味と使い方

小説などでよく見かける「同じ穴の狢」とはどのような意味なのでしょうか。

今回は、「同じ穴の狢」の意味と類語について解説します。

「同じ穴の狢」とは?意味

「同じ穴の狢」とは、「表面上は異なるように見えていても実態は同類であること」を意味する言葉です。


「同じ穴の狢」の概要

「同じ穴の狢」「狢」とは「アナグマやタヌキ」のことを指します。

アナグマやタヌキは昔から人間を騙す悪い動物とされています。

この場合は「悪党」「悪人」の例えとして使われています。

アナグマやタヌキは深い穴を掘って巣を作ります。

別々に行動しているように見えているアナグマやたぬきであっても大元の出どころとなっている巣穴は同じであることを「一見別々で無関係に見えるが元をたどれば同じである」ことになぞらえて「同じ穴の狢」と表現します。

一般的には「同類の悪党」という意味で使われる言葉で「無関係を装っているが結局のところは同じように悪いことを企んでいる」といったような人の本性や裏の顔が悪いものであることをさして使われる使われる表現です。

言葉そのものに呆れや失望などがっかりした感情が含まれており「いい人そうに思えても裏では悪い人間とつながっている」という人間社会ではよくある現実的な実態嘆く諦念めいた表現です。


「同じ穴の狢」の言葉の使い方や使われ方

・『どれだけの人間が集まろうと結局のところは同じ穴の狢に違いない』
・『選挙の立候補者を同じ穴の狢扱いするのはさすがにひねくれ過ぎである』
・『調子のいいことを言っているが利益を優先しているのは明らかで、要するに同じ穴の狢である』
・『どいつもこいつも同じ穴の狢ばかりだ』

「同じ穴の狢」の類語や言いかえ

・同類
「共通点を持つ者同士」という意味の言葉です。

共通点があればいいことでも悪いことでも使える表現で、「同じ穴の狢」のように悪人に対してだけ使われる言葉ではなくいい意味でも使われます。

見かけは違うが根っこのところは同じ、という点が「同じ穴の狢」とよく似た表現です。

・同輩
「自分と同じくらいの立場にある人」という意味の言葉です。

「同じ穴の狢」は他人同士を指して同じく悪人であることを意味しますが、こちらは自分と同じような立場や立ち位置の人に対して使われる表現です。

「自分と同じような立場」を指すものなので自分が悪人であったり悪いところを強調している場合には「同じ穴の狢」と非常に近しい意味合いになります。

・目くそ鼻くそ
「どっちもどっちでたかが知れている」という意味の言葉です。

本来は「目くそ鼻くそを笑う」という言葉で「レベルの低いものが同じくレベルの低いものをバカにする」という意味ですが、そこから転じて「目くそ鼻くそ」のみで「同じようにレベルが低い物同士」という意味で使われています。

「同じ穴の狢」「悪賢い人同士」という知的さを含む悪党を指すのに対し、こちらはあまり知的さがなく取るに足らない木っ端悪人を表しています。

まとめ

「同じ穴の狢」は日常生活ではほとんど使われない言葉ですが、小説やドラマなどフィクションの世界では比較的よく使われる芝居がかった表現です。

意味がわからず混乱しないように正しい意味を知っておきましょう。

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