「商売」と「ビジネス」の違いとは?分かりやすく解釈

「商売」と「ビジネス」の違い違い

この記事では、「商売」「ビジネス」の違いを分かりやすく説明していきます。

「商売」とは?

「商売」は(しょうばい)と読みます。

「商売繁盛」「殿様商売」の四字熟語や、キャバクラやバーなどを示す「水商売」の言葉の中にこの「商売」という文字が含まれています。

「商」ですが、これは「商い」は(あきな(い))という言葉で、売り買いをすること、利益を意味します。

大阪弁の「商人(あきんど)」は、商いをしている人のことです。

「商売」は、この「商い」「売る」という言葉と組み合わさった言葉です。

物品を売ることで利益を得ることを意味します。

また、転職することを「商売がえ」や、「学生は勉強するのが商売」などのように、「商売」を職業や仕事の意味で用いることもあります。


「商売」の使い方

「商売」は、どちらかといえば年齢層が高めの人が好んで使う言葉です。

経営が思わしくないときには「商売上がったり」で、その反対に利益がたくさん出たときには「商売繁盛」などと言います。

昔は個人で直接誰かに物品を販売している人を「商売人」と呼んでいましたが、今では「経営者」「事業主」と呼ぶほうが増えてきました。

少し古臭い印象の言葉ですが、親しみやすいイメージがあるのが「商売」です。

肩肘張らない人との会話では「経営不審」ではなく、「商売あがったり」がぴったりします。


「ビジネス」とは?

「ビジネス」は英語の「business」の外来語です。

今や日常茶飯事に使用されている言葉で、「ビジネスマン」「ビジネスチャンス」「ビジネスホテル」「ビジネススーツ」「ビジネスランチ」と、「ビジネス」を含む言葉を数え上げるときりがありません。

ちなみに英語の「business」は、経済活動のことを意味します。

日本では職業、商売、仕事、事業に「ビジネス」という言葉をあてて使用しています。

私たちは「ビジネスマン」と聞くと、最初にサラリーマンを思い浮かべます。

ビジネス(商業活動)をしている人が、ビジネスマンとはなりません。

商店街で雑貨を仕入れて販売している人も、商業活動しています。

しかし、この商店の経営者を「ビジネスマン」と考える人は少ないでしょう。

「ビジネス」の使い方

「ビジネス」は、お金を得ることを目的とした経済活動にかかわることに使う言葉です。

経営者、企業した人、またある程度の大きさの企業に勤める人は、常にこの「ビジネス」という言葉に囲まれて生活しています。

ちなみに「ビジネスライクでいこう」という言葉がありますが、これは「仕事だと割り切り感情と切り離して行いましょう」の意味です。

「商売」と「ビジネス」の違い

「商売」「ビジネス」は、基本的には同じような意味を持ちます。

しかし現在では、「ビジネス」の方が多く使われてます。

「商売」は、お客さんに直接物品を販売して利益を得るという、八百屋、魚屋、米屋などの、昔ながらの個人商店の活動に対して使われる言葉です。

このために私たちは「商売」の方が身近で庶民的だとの印象を受けます。

ちなみに商店街の人たちが、商店街運営の話し合いのために一緒に昼食をとっても「ビジネスランチ」とは言いません。

「ビジネス」は、企画、マーケティングなども含む、大きな経済活動をあらわす時に用いられます。

頭脳を駆使して、利益を追求するというクールなイメージがある言葉です。

ホテルのレストランで昼食を食べながらの話し合いは、まさに「ビジネスランチ」です。

「商売」の例文

・『あの酒屋さんも、とうとう今年で商売をやめるらしいよ』
・『商売繁盛を祈願して、家内と一緒にお参りに行ってきました』
・『〇〇くんは、商売に失敗して夜逃げしたらしいよ』
・『私は、あのお店で商売の心構えを一から教え込まれました』

「ビジネス」の例文

・『ビジネス文書の書き方が難しくて困っています』
・『それは今度のビジネスとは、全く関係のないことです』
・『〇〇さんは、いろいろなビジネスに手を広げて大金持ちになった』
・『そのビジネスに手を出すのは、ちょっと危ないと思うよ』

まとめ

「商売」「ビジネス」は、どちらも利益を得るために行う経済活動を意味します。

しかし「商売」が、よりエンドユーザーと密接な立場にあるのに対し、「ビジネス」はもっと多くの人、企業、団体と関わりを持ちながら利益を得るために、計画的に活動しているものだと理解できます。

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