「処置」と「措置」の違いとは?分かりやすく解釈

「処置」と「措置」の違い違い

この記事では、「処置」「措置」の違いを分かりやすく説明していきます。

「処置」とは?

「処置」とは、その場や状況に応じた判断を下して、手だてを講じて、物事に対処することを指す言葉です。

例えば、『商品を発送したのに、その後にキャンセルされてしまったので、その処置方法を考える。』の様に使用されます。

また「処置」は傷や病気の手当てをすることを指す意味もあります。

『交通事故でけがをした人の応急処置をした。』の事例のように使われます。

この2つ目の意味は、1つ目の意味を傷病の対応に当てはめたケースであり、1つ目の〈判断を下して、手だてを講じて、物事に始末をつけること〉の意味の範疇にあり、異なるものではありません。


「措置」とは?

「措置」とは、事態に応じて必要な手続きをとることや、取り計らって始末をつけることを指す言葉です。

『水難事故が発生しないように万全の措置を講じます。』

『適切に措置する。』の様に使用されます。


「処置」と「措置」の違い

「処置」「措置」は上記の意味や、使用方法例を見ても、やはりその違いが分かりにくい言葉です。

確かに2つの言葉は似てはいますが、実はその使い方としては、以下の違いがあります。

まず1番目の違いは、物事に対する対処を、その時の対処を指すのか、最後の始末(決着)が着くまで対処を続けるかの違いがあります。

「処置」の方は、必ずしも最後まで対処しない場合でも使用されますが、「措置」は最後の始末(決着)が着くまで対処を続けることを指す場合に使用する違いがあるのです。

例えば病院の『処置室』はその都度、手当てや治療する部屋を指すもので、けがや病気が完全に治るまでその部屋で対処するものではありません。

『水難事故が発生しないように万全の措置を講じます。』の例で、プールでの水難事故防止に、こう発言されたとすれば、その日のプールの利用で水難事故が生じないだけでなく、長く事故防止が維持される対策を講じる事を指しているのです。

その時々の対処と、永続的に有効な対処方法と言う面から、「処置」は一般的にすぐに考え、対処も短時間で終わる事が多いのに対し、「措置」方法を考えるには比較的長い時間を要するケースが多くなると言う違いもあります。

また2番目の違いとしては、「処置」は物事が起こった後の対処・対応について使用される言葉ですが、「措置」は事後のみならず、事前の対応についても使うと言う違いです。

まとめ

辞書には「処置」とは、その場や状況に応じた判断を下して、手だてを講じて、物事に対処することを指す言葉で、「措置」とは、事態に応じて必要な手続きをとることや、取り計らって始末をつけることを指す言葉とあります。

しかし辞書に記載されている2つの言葉の意味は、非常によく似ており、この説明ではその違いや使い分け方は分かりにくいでしょう。

2つの言葉の違いとしては、「対処」は必ずしも完結を必要としない場合、そして事前ではなく事後に使われる言葉であるのに対し、「措置」は対処して完結させる場合、そして主に事前に対処する場合に使われる事の多い言葉と言えば、分かりやすいと思います。

違い
意味解説辞典