「啓蒙」
「啓蒙」は「けいもう」と読みます。
「啓蒙」の「啓」の字はひらくという意味があり「蒙」はくらいという意味になります。
「啓蒙」とは人々に正しい知識を与えたり、合理的な考え方をするように教えたり、導くことを言うのです。
それでは「啓蒙」について詳しく見ていきましょう。
「啓蒙」の意味
「啓蒙」の意味とは、人に対して、その人が知らなかったことを教えてあげる、正しい方向へ導いてあげるといったことになります。
つまり目上の人から目下の人に対して使われることが多い言葉ということになります。
先生から生徒に、専門家から素人の人にといった感じでしょうか。
また「啓蒙」の「蒙」という字は「おろか、無知、くらい」といった意味を持ちますので、差別的な言葉ではないかという意見もあります。
その為「啓蒙」ではなく「啓発」という言葉を使うことが多くなったとされています。
ちなみに「啓発」は人を教えたり、導いて、高い知性や理解を与える、また普通の人が気づかないようなことを、専門の観点から教えることといった意味になります。
「発」という字には「外に出す、現れ出る、生じる」といった前向きな意味がありますので「啓蒙」が気になるという場合は「啓発」と言い換えるといいでしょう。
「啓蒙」の言葉の使い方
「啓蒙」という言葉は物事を知らない人に教えてあげる、導いてあげるといった意味になりますので、基本的に目上の人から目下の人に向けて使う言葉です。
専門的な分野に詳しい人が、その分野のことが全く分からない人に教えたり、気づきを与えたりといったことにも使われます。
「啓蒙書」「啓蒙活動」といった言葉もあります。
ただ「蒙」の字が「無知、おろか、くらいこと」という意味を持っていますので差別的ではないかという意見、そのような感じ方を持つ人もいることでしょう。
また無知の人に教えてあげるといった意味自体が上から目線的だと感じることもあるかと思います。
誤解を招きたくないとか、差別的と思われたくないということであれば「啓発」という言葉を使った方がいいでしょう。
しかし、自分が教えてもらって感謝しているといった場合は「先生から啓蒙されました」と言うのは自由ですし、相手に対して失礼とはならないのです。
「啓蒙」を使った例文・短文(解釈)
「啓蒙」という言葉を使った例文を紹介します。
「啓蒙」の例文1
「啓蒙してやるなんて、随分上から目線な発言だ」「啓蒙」
は上から下、知っている人から知らない人へ教えるといった意味になりますので、自分が人に教えてあげる、導くことを「啓蒙してあげた」と言いますと、言葉の意味としては正しくても相手に対して上から目線となってしまいます。
「無知な人に教えてやっている」とは事実であっても実際に言われたら嫌な気分になる場合もあるでしょう。
ですから、自分が教えてもらった時に「先生に啓蒙されました」と言うのはいいのですが、逆は控えた方がいいということになります。
「啓蒙」の例文2
「先生は、啓蒙活動に忙しい様子です」
「啓蒙活動」とはそのままの意味となります。
何かを人に教えたり、導いたり、広めたりといった活動のこと全般を言います。
ただ、最近では「啓蒙活動」よりは「啓発キャンペーン」といった言葉に言い換えられていることの方が多いかもしれません。
「啓蒙」の例文3
「啓蒙書とは言わず、啓発本と言うようになった」
「自己啓発本」「自己啓発書」といった言葉の方が一般的です。
内容としては同じであっても「啓蒙」となりますと、少々差別的な意味合いと感じられてしまう可能性もありますので「啓発」という言葉に換えているのです。
イメージ的なものもありますが「啓蒙書」となりますと少々難しいような気がしますが「啓発本」と換えることで、自分から前向きに学んだり、気づきのきっかけとなるような本といった感じで気軽に手にとりやすいような印象です。