建設業界で働いていると、よく似た言葉を耳にすることがあります。
この記事では、「土木」と「土方」の違いを分かりやすく説明していきます。
人には聞けない疑問を、すっきり解決しておきましょう。
「土木」とは?
土木(どぼく)とは、工事のお仕事。
道路を作ったり橋を架けたり、生活に欠かせないライフラインを整える仕事です。
土木とよく似たものに「建築業」があります。
建築業はビルを建てたり一軒家を築いたり、おもに外装や内装をととのえます。
それに対する「土木業」はビルや一軒家が建つ「土台」をつくります。
道路や河川を美しく整え水道やガスを引き、多くの人が安心して暮らせる環境作りをおこないます。
土木の仕事には、きつい・苦しいというマイナスのイメージがあります。
確かに重労働をともなう力仕事も多いのですが、その分大きな夢とやりがいもあります。
未経験からトライできる職種も多くなっています。
「土方」とは?
土方(どかた)とは、力仕事をおこなう労働者のこと。
おもに土木や建設現場で働く作業員をあらわします。
人によっては差別用語と捉えることもあるので、使う場には注意が必要です。
「土方」の歴史はとても古く、戦国時代にさかのぼります。
当時、城の建築や土地の埋め立てに携わっていた人たちを「土方人足や土方人足方」と呼んでいました。
この土方一足を短くしたものが「土方」です。
土や砂にふれる仕事をしていたことから、この名が定着したようです。
「土方」は職業のひとつですが「肉体労働者」という意味もあります。
そのため現在では、テレビやラジオなどの公の場で使われることはタブーとなっています。
土方の代わりの言葉は、土木作業員や建築作業員などが挙げられます。
「土木」と「土方」の違い
どちらも、正しく知らないと恥をかきやすいです。
「土木」と「土方」の違いを、分かりやすく解説します。
・失礼にならない「土木」
「土木」と「土方」は一文字違いのため、間違えやすいです。
「土木」は重機を動かして、道路や河川工事をおこなう仕事のこと。
「土方」はそうした工事を担う、肉体労働者を指します。
土木は土木作業員・土木業界など、あらゆるシーンで用いられています。
「土方」は戦国時代にゆかりのある歴史ある言葉ですが、差別につながることから公の場での使用は控えられています。
そのため力仕事をあらわすなら「土木」、力仕事をしている人なら「土木作業員」を用いるのがおすすめです。
快く思わない方も多いので「土方」の使い方には細心の注意を払っておきましょう。
まとめ
「土木」と「土方」の違いを分かりやすくお伝えしました。
どちらも建設業界でよく聞く言葉です。
「土木」は水道工事や道路工事のこと。
クレーンやショベルカーなど、重機をうごかす仕事です。
「土方」は土木作業をおこなっている、肉体労働者をあらわします。
土方はタブーとされる差別用語のため、公での使用は控えておくのがおすすめです。
正しい知識を蓄えておきましょう。