人事部にいると、給与の支払い方法で迷うこともあります。
この記事では、「均等待遇」と「均衡待遇」の違いを分かりやすく説明していきます。
賃金にまつわる専門的な言葉を知って、スタッフの雇用改善をおこなっていきましょう。
「均等待遇」とは?
均等待遇とは、雇用形態にかかわらず同じ賃金を支払うことです。
簡単に言うと仕事内容が同じなら、正社員も非正規雇用も同じ給与を支払おうというものです。
働き方改革の一環として、厚生労働省がすすめている計画です。
仕事内容が同じというのは判断が付きにくいのですが、目安のひとつとなるのが「責任の度合い」。
正社員と同じくらい重大な仕事を任せられているにも関わらず、賃金に不公平感がある場合などです。
均等待遇は同一賃金同一労働にまつわる専門用語ですが、違反した場合の罰則が伴っていないので、どこまで企業側が守らなければいけないかはグレーゾーンとなっています。
ただアルバイトやパートで働いている人から、厚生労働省の雇用均等室に直接連絡がはいった場合に、何らかの形で役所から指示が出されることがあります。
「均衡待遇」とは?
均衡待遇とは、パートタイム労働法に定められた人事にまつわる専門用語のこと。
正社員とパートタイムの職務内容が異なったときに、その違いに合わせてバランスの良い給与を支払うことです。
均衡待遇も、正規社員と非正規社員の不公平さを解消するために生まれた言葉です。
また賃金だけではなく、福利厚生や社員研修などもパート従業員に必要であると判断した場合は、バランスよく取り入れることを求めています。
規準となっているのが、パート従業員の仕事内容。
そして契約している期間。
企業としてパートスタッフをどう活用しているかの3点です。
現場で働く正社員と比べて、これらがあまり大差ないにも関わらず、待遇に大きな差があるようであれば、雇用主は改善していく必要があります。
「均等待遇」と「均衡待遇」の違い
人事担当者を悩ませるのが、待遇にまつわる言葉の壁です。
「均等待遇」と「均衡待遇」の違いを、分かりやすく解説します。
・厳しい均等待遇、ゆるやかな均衡待遇
「均等待遇」と「均衡待遇」はとても似ている言葉ですが、その内容は少しだけ違っています。
「均等待遇」は正社員と非正規の仕事内容が同じであれば、待遇を同じにしなさいという厳しい措置のこと。
対して均衡待遇は、正社員と非正規社員の仕事内容が異なるのであれば、それを考慮して臨機応変に対応しなさいということ。
均等待遇にくらべて、少しゆるやかなお願いのことです。
まとめ
「均等待遇」と「均衡待遇」の違いを分かりやすくお伝えしました。
どちらも正社員と非正規の、不公平な差を無くすために生まれたものです。
均等待遇は仕事内容が同じであるのなら、待遇面も揃えてくださいという措置のこと。
均衡待遇は職務内容が異なるのであれば、そうした条件を考慮に入れながら、臨機応変に対応してほしいというお願いです。
言葉は似ていても、言いたいことは少し異なっているので抑えておきましょう。