「大局的に見る」とは?意味や使い方、例文など分かりやすく解釈

「大局的に見る」とは?意味と使い方

この記事では、慣用句の「大局的に見る」の意味を分かりやすく説明していきます。

「大局的に見る」とは?意味

「大局的に見る」の読みは、「たいきょくてきにみる」で、「ものごとを全体的に見て、動向や状況を判断すること」を意味する慣用句です。


「大局的に見る」の概要

「大局的に見る」「大局的」は、「大局」と言う言葉に「そうした状態」という意味を表す「的」が付いた言葉です。

ここで「大局」「全体像をつかむこと」を意味することから、「大局的」「ものごとの全体像をつかもうとする状態」と言う意味になります。

この「大局」の語源は、囲碁用語です。

囲碁では、白と黒の石のひとつずつの動きを見るより、「囲碁盤全体がどの様な状態にあるのか」を見る事が大切だとされており、これが文字通りの「大局」の意味です。

ここから転じて、政治やビジネスなど広い分野で「現在の全体状況」「大局」、そしてそのような様子を把握することを「大局的に見る」と表現するようになったのです。

「大局的に見る」「ものごとを全体的・広範に見る」と言う意味以外に、そうして見た結果の「要点を把握する」と言うニュアンスで使われることもあります。

また、この「大局的に見る」に似た意味の言葉に「俯瞰(ふかん)」と言う言葉があります。

広く見て把握するという点では「大局」と同じですが、「大局」はそれを踏まえて今後や将来を見据えると言ったニュアンスがありますが、「俯瞰」には、そうしたニュアンスは含まれていません。

さらに「俯瞰」は厳密にいえば「広い範囲を見る」と言う意味で「見る」と言う意味が含まれていますが、「大局」「見る」と言う意味は含まれていません。

従って、本記事のように「大局的に見る」と慣用句として使われるのですが、「俯瞰する」で、これと似た意味となるのです。

ちなみに「俯瞰的に見る」との表現もよく使われていますが、これは「見る」と言う意味が2回重なった使い方で、本来は正しい使い方とは言えません。


「大局的に見る」の言葉の使い方や使われ方

「大局的に見る」の言葉は、以下の例の様に使われます。

・『このプロジェクトは大局的に見れば、比較的順調に進んでいると言える』
・『この政策は、大局的に見ると間違ってはいないが、部分的な課題が残っている点と、なにより予算が掛かり過ぎる事が難点です』
・『上司は細かい点ばかり指摘して、肝心の大局的に見た方針を指示しない。上司失格です』

「大局的に見る」の類語や言い換え

「大局的」の類語としては、「包括的」「全体的」「大筋」「概略」などが挙げられます。

従って 「大局的に見る」は、「包括的に把握する」「全体的に見る」「大筋を把握する」「概略を把握する」などと、言い換える事が出来ます。

まとめ

「大局的に見る」とは、「ものごとを全体的に見て、動向や状況を判断すること」を意味する慣用句です。

この慣用句は、囲碁において戦況を正しく把握するためには、碁石の置かれた細かい部分ではなく、盤全体を把握することが大切だと言うことが語源です。

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