日本語には似た様な意味を持つ言葉が幾つも存在しており、普段特に意識せずにそういった言葉を使っている人が少なくありません。
ですがビジネスシーン等で正確な日本語の使い方を問われる事になると、使い分けが難しいと感じる言葉が色々とあります。
「大抵」と「大体」という2つの言葉も、同じ様な意味合いを持っているのでいざ正しく使い分けを行おうとすると、途端に迷ってしまう人が多いです。
「大抵」とは?
「大抵」とは、たいていという読み方をする言葉となっています。
意味としては、事柄の主要な部分だったり、全体の大部分を言い表す際に使用する事が多いです。
おおよそとか大方といった意味合いで用いられており、具体的には、大抵の人が反対している、といった形で使用されています。
他にもほとんど全てという状況を言い表す際にも用いられ、日本国内にある有名所の温泉は大抵行った、という様な形で使われるのです。
更にほぼ間違いないという推測を示す言葉でもあり、この時間ならば大抵彼は家にいるだろう、という使い方もされます。
「大体」とは?
「大体」の読み方は、だいたいです。
意味合いとしては、細かい部分を除いた事柄や物事の主要な部分や、全体のおおよそな部分を掴み取るといった言い表し方をする際に用いる言葉となっています。
この数学の問題は大体理解しました、といった具体的ではないが大部分は掴んでいるといった意味合いで表現されるのです。
他にも物事の主要な部分や、要点を大きく掴んだ様を示す言葉としても用いられます。
君の言いたい事は大体分かった、といった形で大筋的な意味で使用されるのです。
その上、おおよそという意味を含んで使用される事もある等、推測を行う際に幅広く使用される傾向のある言葉となっています。
「大抵」と「大体」の違い
「大抵」と「大体」は、ほとんどという意味合いで回数や頻度を示す際には、どちらの言葉を使っても同じ様な意味を示す事が可能です。
ですがほとんどという意味で使用する際でも、物事の量を表す際には、大体は使用出来ますが、大抵は使用出来なかったりします。
具体的には、課題は大体終わった、という言葉の際に同じ意味合いとして大抵を用いる事は出来ません。
というのも大抵は、十中八九という意味合いを持ち、過去の経験やデータといった根拠に基づいて使用するのが基本だからです。
一方の大体は、経験やデータといった明確な根拠がなくても、感覚的な推測のみでも用いる事が可能な言葉となっています。
つまり大体は、量や割合を示す際に用いられる事が多いのに対し、大抵は確率や機会を示す際に積極的に用いられる言葉です。
まとめ
「大抵」と「大体」は、どちらも物事や事柄の主だった部分を表現する事が出来ます。
特に回数や頻度をほとんど、という意味合いで表したい時には、どちらの言葉を使用してもほぼ同じ意味を示す事が可能です。
ただし「大抵」は経験則やデータから8割から9割程度の推測が可能な際に使用する言葉であるのに対し、大体は明確な根拠がなく感覚的な推測だけでも、用いる事が出来ます。