英雄や勇猛な人物はその性格が強いことが多いのですが、そのような性格を示す言葉としては「大胆」と「豪胆」があります。
どちらも度胸がすわっている性格を示すのですが、それぞれでは少し意味合いが違うので使い分けをする際には気を付けることが大切です。
この記事では、「大胆」と「豪胆」の違いを分かりやすく説明していきます。
「大胆」とは?
「大胆」とは度胸がすわっていることや性格を示します。
この漢字に使われている「胆」は「胆力」の熟語があるように、心の強さや恐れを知らない性格を示す時に使う漢字です。
「胆力」の類義語としては「肝っ玉」がありこちらは「肝試し」の熟語に使われることから、どちらも心の強さや恐れ知らずの精神力を示す漢字として使われます。
「大胆」にはこのように恐れ知らずの性格や精神力を示す意味を持ちますが、これ以外にも図太い性格や精神、図々しいことを示す意味でも使われます。
鋼のような精神力を示す「大胆」な心は、英雄や偉人を表現する際に使われますが、こちらの図太い性格や図々しい精神は一般人の性格を表現する際にも使えます。
「豪胆」とは?
「豪胆」も「大胆」と同様に度胸がすわっていることや性格を示します。
物事に対しても動じない様や振る舞いに対しても使用できますが、どちらかというと「豪胆」の方がやや古い言い回しになるので使い分けましょう。
「豪胆」は落ち着いた精神力を示すことが多いのですが、「大胆」のように図太い性格や図々しい精神力という意味合いではあまり使われません。
そのために欠点がない偉人や武人を表現したい時には「豪胆」を使うことが多いと言われています。
「大胆」と「豪胆」の違い
「大胆」も「豪胆」も度胸があり物事を恐れない性格、あるいは行動を表現する時に使われます。
「大胆」には図太い性格や図々しい精神力という意味や、思い切った行為自体を示す時にも使えるので、かなり広い意味を持っているのが特徴です。
「豪胆」は「大胆」よりもやや古い表現となっており、度胸がすわっており落ち着いている様を示すのが特徴です。
「豪」という字が使われており活発な性格に使われると思われがちですが、実際には度胸と同時に冷静さも持ち合わせている性格を示す時に使えるので、偉人や英雄の性格を記述する際にも使われることが多いのです。
「大胆」の例文
・『そのボクサーは大胆不敵にも構えを下げて、チャンピオンを挑発し始めた』
・『夏合宿でテンションが上がっているのか、彼女は大胆な水着を持ってきたそうだ』
「豪胆」の例文
・『この国を治めている将軍は豪胆さが有名あり、戦国時代は先陣を切って戦場に赴いたそうだ』
・『豪胆な性格だと思っていた祖父も、最近では温和になり庭先で猫を愛でるようになったのは面白い』
まとめ
このように「大胆」や「豪胆」はどちらも度胸が恐れ知らずの性格や行動を示す時に使われます。
「大胆」には図太い性格や図々しい精神力など人間味のある性格を示す時に使われますが、英雄のような無欠の人を表現する時には度胸と冷静さを意味する「豪胆」を使うことも多いのです。