この記事では、「失脚させる」の意味を分かりやすく説明していきます。
「失脚させる」とは?意味
「失脚させる」の読みは「しっきゃくさせる」で、「その人物を意図的に狙って高い地位や権力の座から引きずり下ろすこと」を意味します。
「失脚させる」の概要
「失脚させる」の「失脚」とは、「地位を追われること」ですが、なぜ「脚」を「失う」と言う熟語が、そうした意味になるのか、疑問に思われる方も少なくないでしょう。
まず「脚」の意味を辞書で調べると、「ひざから下の足や足全体」や「ある範囲の下側」や「支えとなるものや物事の根拠」と言ったいくつもの意味が記載されています。
「失脚」における「脚」は、3つ目の意味の「支えとなるものや物事の根拠」の意味で使われており、これを「失う」こと、すなわち「支えを失い、地位をなくすこと」となるのです。
「失脚」や「失脚する」や「失脚させる」と言った言葉は、昔なら権力者の国王などを、権力の座から引きずり下ろすと言った場合に使われていましたが、今日では政界の権力者や、会社などの団体の上層部が引きずり下ろされる場合などに、しばしば使われる言葉です。
「失脚させる」側が正義であり、「失脚させられる」側が悪であるとは限りません。
「失脚」は権力闘争などにより生じるもので、権力闘争の結果に過ぎないからです。
例えば、最近ミヤンマーで軍部によるクーデターが生じ、民主的に選出された政府幹部等を「失脚させる」政変が起きましたが、この例では軍部が正義とは言えない事から分かるでしょう。
また会社などでも社長や重役や管理職でも、色々な理由から「失脚させる」ことは少なくありません。
これも社内の権力闘争が関係している事も多く、「失脚させる」側は、自分達が正しいと言う意識はあるでしょうが、客観的には必ずしもそうとも言えないのが現実です。
また会社においては「左遷」されると言ったこともしばしばありますが、「左遷」=「失脚」ではありません。
不祥事を起こしたり、業績が思わしく無くて、同じ役職のまま地方に異動になることも「左遷」ですが、これは誰かが意図して地位から引きずり下ろそうとしたのではなく、「失脚」とは言いません。
もちろん、権力闘争に敗れ「失脚させられ」て、結果として「左遷」となることもあります。
「失脚させる」の言葉の使い方や使われ方
「失脚させる」の言葉は、『あの技術担当重役のもとでは会社の技術部門は崩壊すると、全ての技術部長が結束して、技術担当重役を失脚させた。』や『政治の世界の権力闘争は熾烈で、政敵を失脚させるために、色々汚い手も使われていると言う噂です。』の様に使います。
「失脚させる」の類語や言い換え
「失脚させる」の類語や言い換えとしては、「陥れる」や「失墜させる」や「引くずり下ろす」などが挙げられます。
まとめ
「失脚させる」は「その人物を意図的に狙って高い地位や権力の座から引きずり下ろすこと」を意味する言葉です。