この記事では、「奮発」と「奮起」の違いを分かりやすく説明していきます。
「奮発」とは?
「奮発」には2つの意味があります。
一つは、気力を盛んにすることです。
やる気を起こして物事にあたることをいいます。
標高の高い山に登るのは、慣れていない人にとっては簡単なことではありません。
「まだまだ頂上まで距離がある」と気力が衰えてしまうこともあるでしょう。
そんなとき「よし、頑張るぞ」と気力を起こすことが「奮発」です。
もう一つの意味は、思い切ってことに当たることです。
とくに思い切って金銭を出すことをいいます。
アイスクリームの購入で考えてみます。
いつもは100円程度のアイスクリームを買って食べています。
店ではもう少し高い商品も販売しているのですが、買うには思い切りが必要です。
金額が気になって、購入にためらいがあります。
しかし、今日は思い切って300円のアイスクリームを購入しました。
決心して金銭を出しているので、これは「奮発して高価なアイスクリームを購入する」ということができます。
「奮発」の使い方
思い切って金銭を出すという意味で使用することが多いです。
「朝食を奮発する」のような使い方をします。
朝食に費用をかけているので、金銭を出していることになります。
「奮起」とは?
気力や勇気を盛んにすること、ふるい起こすことです。
気力や勇気などを奮い起こすことで、その後にどうするという意味は含まれていません。
塾でテストがあり、点数の順位表が発表されたとします。
ライバル視している人よりも自分の方が順位が下でした。
そのことに悔しさを感じ「今度は負けないぞ」「もっと頑張るぞ」と思いました。
気力を奮い起こしたのです。
このような状態を「奮起」といいます。
「奮起」の使い方
気力や勇気を盛んにすることを指して使用します。
気持ちの面についてを意味しており、行動が伴っているのかは意味に含まれていません。
「奮発」と「奮起」の違い
2つの言葉には、ふるいたつという意味を持つ漢字である「奮」が使用されており、どちらにも気力を奮い起こすという意味が含まれています。
「奮発」は気力を奮い起こして事に当たることを意味しています。
「事に当たる」という意味も含まれる言葉です。
また、思い切って金銭を出すこともいいます。
「奮起」は気力を奮い起こすことで、事に当たるという意味は含まれていません。
「奮発」の例文
・『今日の昼食は奮発してうな重だ』
・『奮発してプレゼントを購入した』
・『奮発しすぎたかな』
・『たまには奮発しようかな』
「奮起」の例文
・『若手の奮起を促す』
・『これではダメだと奮起する』
・『自ら奮起する』
・『アドバイスをもらって奮起した』
まとめ
ふるいたつという意味を持つ漢字の「奮」を使用しており、2つの言葉は似たような意味を持っています。
しかし「奮発」は思い切って金銭を出す意味がありますが、「奮起」にはない点などに違いがあります。