「女」を表現する言葉としてよく使われるのが「女子」と「女性」ではないでしょうか。
メディアや日常生活でとても頻繁に見聞きする言葉です。
しかしこの二つの言葉の違いや使い分けを、正しく説明できる人はあまりいないかもしれません。
この記事では、「女子」と「女性」の違いを分かりやすく説明していきます。
「女子」とは?
「じょし」と読まれることが多いのですが、本来は「おなご」と読んでいました。
昔は女や女性全般を意味しました。
現在では「女の子供」を示すとされています。
女の子、娘のことです。
しかし「大人女子」、「女子アナ」のように、成人女性に使う例外もあります。
「女子」の使い方
「女子」が使用される代表的な例文をみてみましょう。
・『学校の「女子」トイレは、1年生の女生徒が掃除します』
・『私は「女子」校出身です』
・『一時期、肉食「女子」という言葉がはやりました』
・『雑誌のタイトルは、30代「女子」は大人ピンクで可愛く、ですって』
「女性」とは?
「じょせい」と読みます。
辞書ではたいてい「女」「女子」「婦人」などと説明されています。
一般的には「成人した女性」を意味します。
少しかたい表現で、男性や中性に対する「性の区別」の言葉として使われることが多いようです。
また近頃は「婦人」が使われていた言葉を「女性」にいいかえる傾向があります。
「婦人」という言葉が「人の妻」の意味する場合があり、差別的であると考えられたためです。
「女性〇〇」という言葉は増えてきており、「女性」は以前より重要な言葉になってきました。
「女性」の使い方
「女性」が使用される代表的な例文をみてみましょう。
・『以前は婦人警官と言いましたが、今は「女性」警官と言います』
・『「女性」の社会進出は目覚ましいものがあります』
・『50歳をすぎると「女性」ホルモンが急激に減ると聞きました』
・『「女性」の地位向上のために、活動しています』
「女子」と「女性」の違い
それでは「女子」と「女性」の違いを、改めて整理してみましょう。
いずれも「女」を意味する言葉です。
しかし「女子」が一般的に「女の子供」、「成人前の女」を意味するのに比べて、「女性」は「成人した女性」を示す場合が多いという違いがあります。
しかし例外もあります。
「女子会」、「肉食女子」のように成人女性を表現する新語がたくさん生まれています。
また「女性トイレ」のように、性の区別として、女の子も「女性」に含まれて扱われる場合もあります。
いずれの言葉も、明確に何歳までは「女子」、「女性」であるという決まりはなく、流行語や新語も含めて、パターンを覚えていくことが大切です。
まとめ
この記事では「女子」と「女性」の違いをみてきました。
どちらも「女」を意味する言葉ですが、「成人かどうか」「性の区別など、属性を表現しているのか」「メディアや世間がつくった新しい言葉の使い方として適切かどうか」という判断基準があります。
「女」をどう表現するのかは、ときにセンシティブなテーマです。
十分な知識を得て、慎重に、正しく使えるようにしましょう。