この記事では、「媒介」と「代理」の違いを分かりやすく説明していきます。
「媒介」とは?
二つのものの間に入って、事がうまくいくように世話をすることです。
事がうまくこくことだけでなく、悪い結果になることも指しています。
蚊は病原体をある生物から別の生物に運びます。
たとえば、デング熱です。
デング熱は、デングウイルスの感染によって発症をします。
症状には、発熱、筋肉痛、発疹などがあります。
デングウイルスを持っている蚊に刺されることで、人間が感染をして発症をします。
蚊にはいくつか種類がありますが、デングウイルスを運ぶ蚊には、ネッタイシマカやヒトスジシマカがいます。
この場合は、蚊がウイルスと人間とをつなげています。
これが「媒介」です。
「媒介」の使い方
仲立ちをするという意味で使用をします。
動物や植物が仲立ちすることについて使われることが多いです。
しかし、それ以外の事柄にも使用可能です。
たとえば、「本を媒介としてコミュニケーションをとる」などの使い方もできます。
また、この言葉自体にはよい・悪いという意味は含まれていません。
「代理」とは?
本人ではなく、別の人がある役割をすることです。
代わりに何かをすることや、その人のことをいいます。
美術館の館長のことで考えてみます。
美術館の館長の仕事は、美術品の収集、美術品の貸し出しの交渉、会議への出席などです。
館長が何らかの理由で休んだり、いなくなったりしてしまった場合、それらの仕事をする代わりの人が必要です。
この代わりの人が「代理」です。
正式に館長になっているわけではありませんが、館長がこれまでやっていた仕事を代わりに行います。
「代理母」という人がいます。
この人は、別の女性に子どもを渡すために、妊娠・出産をする人です。
産まれてきた子どもを自分が育てるわけではありません。
何らかの理由で自分で子どもを産めない人が、別の女性に代わりに産んでもらいます。
その代わりに産んでくれる人が「代理母」です。
「代理」の使い方
本人の代わりに何かをすることや、その人を指して使用をします。
本人が何かを行うことではありません。
人について使う言葉で、物についてはあまり使いません。
「媒介」と「代理」の違い
前者の言葉は、仲立ちをするすること指しています。
二つのものを結ばせるものです。
後者の言葉は、代わりにすることや、その人のことです。
何かと何かを結びつける人ではありません。
「媒介」の例文
・『メディアを媒介とする』
・『人形を媒介として会話をする』
・『ウイルスの拡大は鳥が媒介したと考えられる』
・『花粉を媒介する昆虫』
「代理」の例文
・『代理で出かける』
・『代理として会議に出席する』
・『代理人と話し合いをする』
・『代理ではなく本人と交渉したい』
まとめ
それぞれの言葉が意味しているものは違い、一方は二つのものの仲立ちをすること、もう一方は本人に代わって何かをすることです。