裁判所の判決の中には、難しい言葉もあります。
この記事では、「実刑」と「執行猶予」の違いを分かりやすく説明していきます。
裁判用語に詳しくなっていきましょう。
「実刑」とは?
実刑とは刑務所で、服役をおこなう懲役刑のこと。
決められた期間を刑務所で過ごさなくてはいけない、精神的にもこたえる刑になります。
実刑判決が出されるのは、裁判所に起訴がおこなわれ、2回目の公判がおこなわれた後になります。
どのような罪を犯したかにもよりますが、たとえ初犯であったとしても、罪の重さを考えて実刑判決が出ることがあります。
実刑の種類には、懲役刑や禁錮刑、そして死刑があります。
実刑となるデメリットは、服役している間に仕事を休まなくてはいけないこと。
その期間は無収入になるので、家族を支えることもできなくなります。
服役後に安定した職に就けるかどうかも分からないので、可能なかぎり避けたい刑になります。
「執行猶予」とは?
執行猶予とは、服役をおこなわなくてもいい制度のこと。
裁判所が定めた期間、社会人としてまっとうな生活を送っていれば、直ちに刑務所に行かなくてもいい判決を指します。
たとえば「懲役5年執行猶予10年」という判決が出されたとします。
この場合10年間、罪を犯すことなく誠実に過ごしていれば、5年の懲役刑が無くなります。
つらい刑務所生活を送らなくてもいいので、精神的な負担は少なくなります。
執行猶予付きの判決は、加害者に更生のチャンスを与えてもいいと、裁判所が判断したときのみです。
また執行猶予の期間に罪を犯してしまうと、すぐに刑務所に収監されます。
「実刑」と「執行猶予」の違い
どちらも人生が大きく変わる判決です。
「実刑」と「執行猶予」の違いを、分かりやすく解説します。
・刑務所に入るか、入らないかの違い
「実刑」と「執行猶予」の大きな違いは、実際に刑務所に行って服役するのか、しないのかの差です。
「実刑」の判決が出ると、すぐに刑務所に収監されて罪をつぐなう必要があります。
一方で「執行猶予」はすぐに刑務所に収監されることはありません。
執行猶予期間中にまじめな生活を続けていれば、服役しなくても実社会で暮らせます。
実刑判決が出されると、長い期間を刑務所の檻の中ですごさなくてはなりません。
今まで自由にできたことが自由にできなくなり、食事や風呂なども規則通りにこなす必要があります。
一方で執行猶予付きの判決が出されると、一定の条件はあるものの、今まで通りの生活を送ることができます。
家族や恋人と一緒に過ごせるので、安定した生活を送りやすくなります。
まとめ
「実刑」と「執行猶予」の違いを分かりやすくお伝えしました。
実刑とは、刑務所で服役をおこなう刑のこと。
対して執行猶予はすぐに刑務所で服役しなくてもいい、更生期間のある刑です。
刑務所に実際に入るか、入らないかの差になるので、判決ひとつでこれから先の人生が大きく変わることになります。
裁判にまつわる知識を、正しく身に付けていきましょう。