済むために用意される施設を指す言葉として「寮」と「社宅」があります。
どちらも同じように暮らすために用意された物件を指す言葉ですが、具体的にはどのような違いで使い分けられているのでしょうか。
今回は、「寮」と「社宅」の違いについて解説します。
「寮」とは?
「寮」とは、「社員や学生など多数の人間が暮らすために用意される共同生活施設」を意味する言葉です。
「寮」に厳密な定義はありませんが一般的には「ある条件を満たした特定多数の人間が生活するために用意された生活施設」を指します。
個室や相部屋など生活スペースの区割りはさまざまですが風呂やトイレ、キッチンなど生活するために必要な施設を備えていて食事の準備や洗濯などができる居住施設が「寮」と呼ばれます。
主な目的としては社員や学生などに安価で安全な住居を提供するために設置され、利用代金として寮費が徴収されますが福利厚生のために周辺の賃貸相場よりも安い料金が設定されていることが多く、利用者にとっては安く安全に暮らせる施設です。
提供される目的により「社員寮」「学生寮」「独身寮」などとそれぞれの名称をつけて故障されます。
「寮」の使い方
・上京して量に済むことになった。
・寮生活は初めてなので若干の不安を感じている。
・午後10時が寮の門限だ。
・多くの人が生活する寮だけあって朝になると洗面所がとても混雑する。
「社宅」とは?
「社宅」とは、「企業が従業員とその家族に対して提供する住宅」を指す言葉です。
従業員がどこに済むかは企業にとっても大きな問題です。
特に僻地など住居の少ない場所に赴任する場合は住まいを探すのが簡単ではなく従業員にとって大きな負担となります。
そのような問題を解決するために会社が用意し従業員に提供する住宅のことを「社宅」と呼びます。
「社宅」には従業員のための福利厚生という側面もあります。
会社が住宅を用意し安価に貸し出すことにより従業員は安い家賃で生活することができます。
会社にとっては負担が増えますが福利厚生費用として処理で着るので節税などに効果があり、さらに会社にとって都合のいい場所に従業員を住まわせることができるというメリットがあります。
会社が所有する不動産を貸し出すこともありますが、賃貸物件を会社が契約し従業員に提供することもあります。
会社が契約を結ぶことで入居や退去の際の手続きがいらず、人の出入りが激しい部署などでは引越し手続きが簡単に済ませられます。
「社宅」の使い方
・社宅なので家賃が安い。
・転勤に伴い社宅に引っ越すことになった。
・社宅として契約しているマンション。
・うちの会社には社宅がない。
「寮」と「社宅」の違い
「寮」と「社宅」の違いは「誰が提供しているのか」と「集合住宅か戸建てか」です。
「寮」は学校や会社、団体などが所属する学生や社員など不特定多数のために提供する集合住宅です。
「社宅」は会社が従業員のために提供する住宅で一戸建てやマンション、アパートの一部屋など独立した住宅を指します。
明確な定義やルールはありませんが特定多数のための集合住宅が「寮」、社員のための不動産物件が「社宅」という違いで区別されています。
まとめ
「寮」と「社宅」はどちらも似たような意味の言葉ですが厳密に意味合いを調べていくとはっきりとした違いが見られます。
普段意識せずに使い分けていることが多い言葉ですが、混同することの無いよう明確に違いを意識して使い分けるようにしてください。