尊いものを扱う時やそれを重要視する際に使われる言葉としては「尊厳」や「尊重」があります。
尊厳を尊重するという使い方もあり、意味を間違えやすいものとして有名なので、きっちりと意味の違いを覚えておくと便利です。
この記事では、「尊厳」と「尊重」の違いを分かりやすく説明していきます。
「尊厳」とは?
「尊厳」とは非常に尊いことや、とても重く厳かなこと、気高いことを意味する言葉です。
ほとんどの場合名詞で使われることが多く、尊敬や敬意を持ってその人を扱う時にも使われます。
この「尊厳」は該当する人にとって絶対不可侵な気高さやプライド、権威であることが多くこれを侵害すると烈火のごとく怒る人も存在します。
ここ最近では終活する人が増えてきましたが、この関係から「尊厳死」という言葉も有名になってきました。
「尊厳死」は人間らしい死に方や自分らしい死に方を求めることや尊重することであり、無駄な延命治療を希望しないことを表す時もあります。
同様な意味としては「安楽死」がありますが、こちらは既に病気などに掛かっている状態から安らかな死を希望するという意味であり2つは異なる意味を持ちます。
「尊重」とは?
「尊重」とは人や生命、人権などを重要視することであり、尊いものとして扱う時に使われる言葉です。
価値があるものとして扱うだけではなく、心から尊いものとして扱うことも含むので色々な場面で使うことが可能です。
人や生命などを優先的に重要視するものであり、大切なものとして扱うのが特徴です。
「尊重」は名詞として使うこともできますが、「尊重する」、「尊重いたします」のように動詞として使うことも可能です。
「尊重」の類義語としては「尊敬」がありますが、こちらは敬意を持って扱うという意味がありどちらも幅広く使われる言葉となっています。
「尊厳」と「尊重」の違い
「尊厳」はその人が持っている犯してはならない重要なこと、尊いこと、気高いことを表す言葉であり通常は名詞として使われます。
「尊重」は敬意を持って人や生命などを重要なものとして扱う時に使う言葉であり、色々な場面で使えます。
これらの特徴から「尊厳」を「尊重する」という使い方をすることが可能です。
「尊厳」の例文
・『祖父は尊厳死を望み、無事に天寿を全うした』
・『尊厳を踏みにじるような行為に彼は激怒して、直談判することを決意した』
「尊重」の例文
・『多様性の社会を生きるために、他社を尊重することが望まれる』
・『彼の意見が尊重され、会議の方向性が定まった』
まとめ
人間が社会で生きるためには尊敬の念をもってコミュニケーションすることも大切になります。
その際に用いられるのが「尊厳」や「尊重」であり、他者を思いやる心が必要になります。
人間は生まれる時から死ぬ時まで尊い存在であり、お互いに敬意を持って支え合う存在なのでしょう。
目の前の人だけではなく世界単位で我々はお互いに「尊厳」を大切にして「尊重」をすることが大切なのです。