この記事では、「峠」と「垰」の違いを分かりやすく説明していきます。
「峠」とは?
「峠(とうげ)」とは、「尾根の鞍部を超えていく道を登りつめて下りにかかるところ」や「山の上がり下がりの境目(さかいめ)」のことを意味している言葉です。
「鞍部」とは、「山の尾根(稜線)の低くくぼんだ所・コル」のことです。
「峠」には「今夜が病気の峠になります」のように、「物事が変化する勢い・情勢がもっとも盛んになる時」といった意味合いもあります。
「峠」の漢字は日本の室町時代に生まれた「国字」で、「山道が鞍部を越えて上り下りする」の意味から作られた漢字です。
「峠」の語源は「手向け(たむけ)」にあり、近世以前の旅人が安全を祈って道祖神に手向けた場所に由来しています。
「垰」とは?
「垰(たお・たわ)」とは、「複数の山を結んだ尾根(稜線)の間にあるくぼんでいる所・鞍部(コル)」のことを意味する言葉です。
「垰」という漢字は中国地方の山野部の地名などに用いられていることの多い漢字で、「垰」も「垰」と同様に日本で作られた「国字」になります。
「垰」という言葉は、「山の峰と峰を結んでたわんでいる(くぼんでいる)場所」を指しています。
「垰」の語源は、「たわむ(山の鞍部がたわんでいる)」にあると言われています。
「峠」と「垰」の違い!
「峠」と「垰」の違いを、分かりやすく解説します。
「峠」と「垰」も日本でつくられた独自の「国字」であり、「山道を登りつめた鞍部・コル」を意味している点では類似していますが、「垰」よりも「峠」のほうが、より一般的に認知されていてよく使われる漢字であるという違いがあります。
「垰」という漢字は、マスメディアの記事・報道では地名・人名以外ではほぼ使われず、一般的な文書においてもまず使われる場合がない違いがあるのです。
また「峠」を「とうげ」と読む時には、「垰」にはない「物事の勢いが盛んな時・絶頂の時」といった意味を持つ違いもあります。
「垰」は「峠」とほとんど同じ意味を持っていて形だけが異なる「異体字(いたいじ)」として理解することができます。
「峠」にも「垰」と同じく「たお・たわ」の読み方はありますが、特に中国地方の地名・人名において「垰」が使われていることがあります。
広島県では「峠本」と合わせて「垰本(たおもと・たわもと)」という名字がありますが、他の地域では「垰」を使用した名字はほとんどありません。
まとめ
「峠」と「垰」の違いを説明しましたが、いかがだったでしょうか?
「峠」とは「山を上がったり下がったりする道の境目」「物事の勢いが盛んな時」を意味していて、「垰」は「連なった山の峰と峰の間にあるくぼんだ場所・鞍部」を意味している違いがあります。
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