先生をしめす表現は、いくつかあります。
この記事では、「師範」と「師匠」の違いを分かりやすく説明していきます。
その場にあった表現とマナーを覚えていきましょう。
「師範」とは?
師範(しはん)とは、空手や柔道をおしえる先生のこと。
また書道や生け花などの指導者を「師範」と呼んでいます。
「師範」は「師」と「範」が組み合わさった言葉です。
「師」には先生という意味があります。
そして「範」はお手本という訳があります。
つまりお手本となるべき基礎や技を、叩きこんでくれるのが「師範」という存在です。
師範になるためには、それぞれの協会が定めるカリキュラムを受け、検定試験にパスする必要があります。
師範の免許を持っていると、就職や転職に有利になる・自宅で習い事の教室をひらけるなどのメリットがあります。
持っていると自分に自信が持てるようになるのが「師範」です。
「師匠」とは?
師匠(ししょう)とは、落語や歌舞伎の先生のこと。
技の手ほどきを教えてくれる、弟子にとっては神さまのような存在です。
「師匠」は「師」と「匠」が連なった言葉です。
「師」は先生のこと。
そして「匠」には「棟梁やトップ」という意味があります。
つまりその世界のトップ、スペシャリストが「師匠」。
そのため直接教えてもらっていなくても、その世界の達人を「師匠」と言うこともあります。
師匠は資格ではないので、試験を受けなくてもなることができます。
ただ周囲の人から「師匠」と呼んでもらえるまでには、長い時間と忍耐がもとめられます。
厳しい稽古や練習をつんだり、他の人の技を目で見て盗んだり、たゆまない修行が大切になります。
「師範」と「師匠」の違い
どちらも「師」という言葉が付いているので、迷いやすいです。
「師範」と「師匠」の違いを、分かりやすく解説します。
・免許制度があるのが「師範」
「師範」と「師匠」はどちらも、その道の達人・先生のことです。
インストラクターといえますが、そこに至るまでのプロセスが異なっています。
「師範」は検定試験に合格しないと、もらえない資格。
たとえば習字の世界には、師範、司教、助教などのレベル分けがあります。
師範になるには「師範用につくられた検定問題」に合格する必要があります。
対する「師匠」は検定試験のない呼称のこと。
歌舞伎、相撲などの世界では「弟子から見た先生のこと」を師匠と呼んでいます。
お笑いの分野ではキャリアを積んだ目上の先輩を「師匠」といっています。
免許がいるのが師範。
免許がいらないのは師匠です。
まとめ
「師範」と「師匠」の違いを、分かりやすくお伝えいたしました。
どちらも先生をあらわす言葉です。
師範は書道や着付け、尺八などの資格のこと。
師範になるには検定試験を合格する必要があります。
一方で師匠とは、その道の匠のこと。
弟子から見た先生が「師匠」です。
お笑いの世界では、自分より年上の芸人さんを師匠と呼ぶこともあります。