この記事では、「平然」と「平静」の違いを分かりやすく説明していきます。
「平然」とは?
「平然」とは、何事もなかったかのように落ち着いている様子のことです。
慌てた様子がなく、ゆったりと構えているさまを意味しています。
うそをつくとすぐに顔に現れる人もいれば、うそをついても顔に現れず、落ち着いている人もいます。
「平然」とした態度なのは後者です。
「平然」は外から見た様子のことで、落ち着きはらっているように見えることを意味します。
実際に本人の心の中がどうなっているのかという意味は含まれていません。
何事もなかったかのように落ち着いているように見えても、心の中はそわそわしているかもしれず、本当に心も落ち着いているのかもしれません。
「平然」の使い方
他人の様子を客観的にみて、何事もなかったかのように落ち着いているさまについて使用をします。
「平然」とした態度をしている本人が使うよりも、他人が使うことの方が一般的な言葉です。
たとえば、ある人がうそをついていて、うそをついている人が何でもないような態度だったとします。
このことを他人が見て「平然」を使用します。
「平静」とは?
「平静」には、2つの意味があります。
1つめは、世の中がおだやかで静かなことです。
ウイルス感染の恐怖がない、戦争がない、治安が安定している、このような状態は世の中が穏やかといえるでしょう。
静かでのどかで安らぎを得られるような世の中の意味です。
もう一つの意味は、態度や気持ちが落ち着いていることです。
慌てた様子がないという意味になります。
大きな地震があったとき、どうしようどうしようと慌ててしまう人もいれば、慌てずに必要なものを持ち出したり、避難経路を確保したりできる人もいます。
「平静」なのは後者です。
「平静」の使い方
世の中が穏やかなこと、態度や気持ちが落ち着いていることについて使用をします。
人にも物事にも使える言葉です。
「平然」と「平静」の違い
どちらの言葉にも、おだやか、やすらかという意味を持つ漢字である「平」が使用されており、どちらの言葉にも落ち着いているという意味が含まれています。
しかし、2つの言葉がそれぞれ意味しているものは違います。
「平然」は何事もなかったかのような状態のことで、主に客観的に外から見たときの様子を意味しています。
「平然」は世の中、態度、気持ちが落ち着いていることです。
「平然」の例文
・『そんなことをよく平然といえるね』
・『平然と受け止めている』
・『本人を前に平然と答える』
・『プレッシャーのかかる場面でも平然としていた』
「平静」の例文
・『嵐が過ぎ去り、村は平静になった』
・『平静を保つように努力する』
・『平静を装う』
・『どんなときでも平静でいられる』
まとめ
落ち着いているという意味を含む2つの言葉ですが、「平然」は気にしないで落ち着いていること、「平静」は穏やかなことで、ニュアンスが違います。