中華料理は世界中で人気があります。
日本国内にも、たくさんの中華料理店がありますが、中国は広いので地域によって料理の種類や味付けもさまざまです。
中でもよく看板や広告でみかけるのが「広東風」、「四川風」という言葉ではないでしょうか。
これら「広東風」と「四川風」の違いを正しく知っていますか。
この記事では、「広東風」と「四川風」の違いを分かりやすく説明していきます。
「広東風」とは?
中国風に「かんとんふう」と読みます。
広東料理のことです。
中国南部の広東省、香港、マカオあたりの料理です。
この地域は冬でも温かく、一年中野菜がよく育ちます。
海に面しているので、海産物をふんだんに使用したマイルドな味わいが特徴です。
地理的にも日本に比較的近く、日本人の舌に合う味付けです。
また、扱う食材が幅広く、広東省出身者が清代以降にアメリカ合衆国や、ハワイ、東南アジア各地に多数移住したこともあり、世界で最も広まっている中華料理でもあります。
日本でも横浜中華街や、神戸南京町には広東料理のお店が最も多く、日本人には身近な料理といえるでしょう。
「四川風」とは?
「しせんふう」と読み、四川料理のことです。
中国西南部の四川省、重慶市、雲南省、貴州省の地域の料理です。
夏は湿度が高く、冬は氷点下になる厳寒の気候のため、唐辛子や花椒、豆板醤などの香辛料や調味料を多く使います。
内陸なので海産物はあまりなく、野菜や肉をメインにした料理です。
本場中国では、味付けは激辛ですが、日本で食べる四川料理は、たいていは日本人の舌にあわせて辛さが抑えられています。
日本では、広東料理よりは歴史が浅く、陳建民がNHKの料理番組「きょうの料理」で、日本人にあわせた作り方を紹介したことが、国内に広まるきっかけだったそうです。
陳建民は日本人の好みにあわせて辛さを調整したり、日本国内で入手しやすい代替食材を紹介したりしました。
「広東風」と「四川風」の違い
それでは「広東風」と「四川風」の違いを、改めて整理してみましょう。
「広東風」は野菜や海産物を使った、素材のうま味を生かした料理です。
代表的なものに、飲茶(ヤムチャ)、チャーシュー(焼き豚)、フカヒレのスープ、マンゴープリン、ワンタン麺、酢豚、シュウマイ、ゆでエビ、土鍋飯(どなべめし)、などがあります。
「四川風」は、調味料や香辛料を多く使った強い味付けの料理です。
代表的なものに、麻婆豆腐(マーボーどうふ)、エビチリ、担々麺(たんたんめん)、回鍋肉(ホイコーロ)、棒棒鶏(バンバンジー)、酸辣湯(サンラータン)、青椒肉絲(ジンジャオロース)などがあります。
まとめ
この記事では「広東風」と「四川風」の違いをみてきました。
どちらも日本では人気があり、とても身近な中国料理です。
しかし使われている素材や、味付けに違がいがあります。
いろいろな人が集まるときは、マイルドな味付けの「広東風」がよいかもしれませんし、元気をだしたいときはピリッとした「四川風」が喜ばれるかもしれません。
違いを正しく理解して、楽しい食事に役立てて下さい。