この記事では、「延伸」と「遅延」の違いを分かりやすく説明していきます。
「延伸」とは?
のばすことやのびることを意味する「延伸」。
「延伸」の「延」も「伸」ものびるという意味になります。
この「延伸」の場合、のばすものやのびるものは、時間や距離に限られます。
期日に遅れる際も「延伸」。
距離をのばす際も「延伸」となります。
このような意味から同じような意味を持つ言葉には、「延長」や「伸展」、「延期」や「順延」などとなります。
また、のばす、のびるという意味から対義語は、「短縮」や「縮小」となります。
「延伸」の使い方
「延伸」には、時間や距離をのばす、のびる、という意味から、「延伸工事」や「延伸期間」、「延伸区間」、「延伸計画」、「延伸フィルム」などがあります。
「遅延」とは?
当初の予定期日や時間から遅れることを意味する「遅延」。
「遅れる」、「延ばす」といった漢字から成り立つ言葉です。
一般的に公共交通機関においてダイヤ通りの電車などが到着しない場合に用いられる言葉となります。
「遅延」の場合、人に対して用いられる言葉ではなく、ものやものごとに対し用いられるものとなります。
このような意味から同じような意味を持つ言葉には、「遅刻」や「遅滞」、「遅らせる」、「遅れ」などがあります。
「遅延」の使い方
主に公共交通機関の遅れの際に用いられる「遅延」には、公共交通機関が遅れたことを証明する「遅延証明」や「遅延理由書」、「遅延のお知らせ」などがあります。
「延伸」と「遅延」の違い
「延伸」な、時間や距離をのばす、のびる、ことを意味し、「遅延」は、期日や時間のおくれることを意味します。
この点で大きな違いがある「延伸」と「遅延」。
「延伸」の場合は、前もって計画的に期日や時間をのばすことに対し、「遅延」の場合は、何らかのトラブルによって仕方なく期日や時間がのびてしまう、そんな違いがあります。
「延伸」の例文
・『私の村まで線路が伸びるという計画は、幻の延伸計画となってしまいました。』
・『このまま、道路が延伸されれば、通勤時間を短縮することができそうです。』
・『初めの契約よりも契約期間が延び、延伸期間が長くなったおかげで、引き続き同じ職場で働くことができるようになりました。』
・『私鉄の延伸工事に伴い、JRとの乗り換えが便利になるそうです。』
「遅延」の例文
・『めったに遅延しない電車が遅延し、焦りました。』
・『電車が遅延したせいで、大切な商談に遅れてしまいました。』
・『その計画は、現在遅延しております。』
・『大雨の影響で、大幅に各路線で遅延が発生しているそうです。』
まとめ
同じ、のびる、という意味でも、計画を立てのびるものなのか、トラブルなどでのびてしまうものなのか、その点に大きな違いがある「延伸」と「遅延」。
そのため、良い意味で用いられることが多い「延伸」に比べ「遅延」は悪い意味で用いられることが多い、そんな言葉となります。