「後始末」と「後片付け」の違いとは?分かりやすく解釈

「後始末」と「後片付け」の違い違い

この記事では、「後始末」「後片付け」の違いを分かりやすく説明していきます。

「後始末」とは?

「後始末」は(あとしまつ)と読み、「物事が終わった時にそれを片付ける」「揉め事や問題を処理する」「他人の不手際などで起きた物事を処理する」ことを意味します。

同じような意味を持つ言葉には、「事後処理」「後片付け」「肩代わり」「尻拭い」「ケリ」などがあります。

「ケリをつける」は時々耳にする言葉ですが、これは「物事を処理する」の意味です。

また「後」がつかない「始末」という言葉も「後始末」と同じような使い方をすることもできます。


「後始末」の使い方

「後始末」は一般に「後始末する/しない」という形で使われます。

また失敗などで状況がよくない時に、それをどうにか処理する時に使われるのが一般的です。

面倒なことが関わっているというニュアンスが感じられる言葉です。


「後片付け」とは?

「後片付け」は(あとかたづけ)と読み、物事が終了した後にきれいにすること、整えることを意味します。

家庭内でも頻繁に使われる言葉で、「食事の後片付けしてね」「遊んだ後は後片付けする約束よ」などのセリフは誰でも耳にしたことがあるはずです。

整理整頓が苦手な人などは、毎日親などから「後片付け」という言葉を投げかけられてうんざりしているなんてこともあるでしょう。

似たような意味を持つ言葉として、「整頓」「整理」また「後」がつかない「片付け」があります。

「後片付け」の使い方

「後片付け」は一般に「後片付けする/しない」という形で使われます。

ちなみに命令形の「後片付けして!」は耳の痛いセリフという人もいるようです。

「後始末」と「後片付け」の違い

「後始末」「後片付け」は、どちらも物事が終わった時に、処理したり整理したりすることを意味します。

しかし「後始末」は困ったことや問題を処理するというニュアンスが含まれているのに対して、「後片付け」は、単純に元の状態に戻したり整理したりすることを表現しています。

「後始末して」と言われるのと「後片付けして」言われるのでは、感じるプレッシャーも違います。

「後始末」の例文

・『息子の不祥事の後始末に追われていた』

・『借金問題の後始末を押し付けられた』

・『親分にこの喧嘩の後始末をおねがした』

・『この仕事の後始末は私が引き受けます』

「後片付け」の例文

・『食事の後の後片付けはパパの仕事よ』

・『大工仕事の後片付けしてからビールを飲んだ』

・『パーティーは楽しいけれど、後片付けが面倒だ』

・『会合終了後は皆さんで後片付けしてください』

まとめ

「後始末」「後片付け」は場合によって同じように使える事もあります。

お皿を割ってしまた時に「後始末した」「後片付けした」は意味はほぼ同じです。

しかし「後始末」の方が、誰かがお皿を割って面倒なこと、困ったことになっていた状態を処理したというニュアンスが濃くなります。

一方で「後片付けした」はその場を元どおりきれいに整えたというニュアンスのみになります。

このような違いを頭に入れて、二つの言葉を使い分けるようにしましょう。

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