この記事では、慣用句の「後釜に据える」の意味を分かりやすく説明していきます。
「後釜に据える」とは?意味
「後釜に据える」の読みは「あとがまにすえる」で、「前の人が退任したり、辞めた後に、新たな人をその任に就かせること」を意味する言葉です。
「後釜に据える」の概要
「後釜に据える」における「後釜」とは、「辞めた人に代わって就く地位や、その地位に就く人」を指す言葉です。
この言葉の由来は、「かまど」の火が消えないうちに次の釜をかけることからできた言葉です。
かつて台所で使われていたかまどは、薪を燃やして使っていましたが、一旦火が消えてしまうと、再び火おこしをして、薪を燃やすのが大変なため、ひとつの調理が終わって釜を下ろすと、すぐに次の釜を置いて使うようにしていました。
このことから、残り火のある間、すなわち前任者が辞めるた後に、すぐにその任を代わって行う人を意味する言葉に転じたのです。
また「据える」には物理的にものを置くことを始め、色々な意味がありますが、ここでは「ある地位や任務に就かせる」意味で使われています。
従って「後釜に据える」とは、「前の人が退任したり、辞めた後に、新たな人をその任に就かせること」を意味する言葉となるのです。
ちなみに「後釜」と言う言葉は、一般的に何となく悪いイメージのある言葉と思われています。
例えば、今回取り上げている「後釜に据える」にしても、誰かフィクサーのような人物が、何か不正や正しい判断を捻じ曲げて、無理や後任者をその地位に就かせると言ったニュアンを受けます。
これはドラマやニュース等で、こうしたイメージのある事例ばかりを扱うことが多いからであり、「後釜」や「後釜に据える」には、こうした悪い意味合いは本来ありません。
「後釜」の言葉の意味は、単に前述のように、「辞めた人に代わって就く地位や、後継者」のことであり、悪い意味合いは全くありません。
従って、悪い意味合いを込める場合以外にも、普通に使って良い言葉なのです。
「後釜に据える」の言葉の使い方や使われ方
「後釜に据える」の言葉は、以下の例の様に使われます。
・『部長は、定年退職した課長の地位に、最も若い係長を後釜に据える決断をしたようです』
・『社長は重病で入院してしまいました。現在は副社長が代理を務めていますが、社内では誰が後釜に据えられるかの話題で持ち切りです』
・『成績不振を理由に、球団は現監督を辞任させ、ヘッドコーチを後釜に据えることを発表しました』
「後釜に据える」の類語や言い換え
「後釜」の類語としては、「後任」や「後継」や「跡取り」や「継承者」などが挙げられます。
従って「後釜に据える」は、「後任に就ける」や「後継指名する」や「跡取りとなる」や「継承者となる」などと言い換えることが出来ます。
まとめ
「後釜に据える」とは、「前の人が退任したり、辞めた後に、新たな人をその任に就かせること」を意味する言葉です。
「後釜」や「後釜に据える」と言う言葉は、悪いニュアンスを持つ言葉だと思われがちですが、本来はそうした意味合いは一切ありません。