現在社会はせちがない世の中と言われてきました。
慌ただしい時間の中で人に感謝する心も薄れてきているのかもしれません。
このような中で思い返したい心のあり方が「恩」と「恩義」ではないでしょうか? そこでこの記事では、「恩」と「恩義」の違いを分かりやすく説明していきます。
「恩」とは?
「おん」という読み方をする「恩」とは「めぐむ」「なさけをかける」という意味がある言葉ですが、詳しく言うと「受けたことありがたく思うべき行為」や「目上の人から受ける感謝すべき行為」ということができます。
この「恩」は「封建時代に主人への奉公に対して給付として所領などを得ること」を言っており「御恩」と呼んでいたのです。
「恩義」とは?
「恩義」は「おんぎ」と読みます。
意味は「人から受けた感謝すべき行為である恩に対して報いなくてはならない義理のあるなさけやめぐみ」のことを言っています。
「恩」と「恩義」の違い
では、ここで「恩」と「恩義」の違いを見ていくことにします。
どのような違いがあるのでしょうか? 「恩」とは「目上の立場の人間が下の立場の人間に対して何かしらを施しをして、そのことをありがたく感じる気持ちや行為」とういう解釈ができます。
ここには施しを受けたことに対する感謝の気持ちの意味合いが込められているのです。
一方の「恩義」は、「報いるべき義理のある恩」と言う見で、「受けた施しに対して、ありがたいと思う気持ちを持つと同時にお世話になったことに対するお返しをしなくてはならないという思い」のことを指しています。
言い換えると、「受けた恩の義理を返す」ということになるわけです。
「恩」の例文
ここで「恩」の例文を見てみましょう。
・『このご恩は一生忘れません。本当にありがとうごました。あのままだったら、私たちが途方に暮れていたはずです』
・『彼の恩を僕は忘れたことはありません。彼の救いがあったからこそ、こうやって今の僕があるのですから』
上記の例文から人の助けによって生きながらえていることに感謝の念を忘れることがないことが分かります。
「恩義」の例文
「恩義」の例文ではどのような文章が考えられるでしょうか?
・『彼には恩義があるんだ。何れこの恩は絶対にかえさなきゃいけない。そうしないと人ではなくなるんだ』
・『お前は親に恩義を感じないのか?あれほど苦労して育ててくれんだぞ!この人でなしが』
人から受けた報いに「恩義」を感じること。
このような気持ちが上記の例文からも分かることと思います。
その一方で恩義を感じない人もいるものです。
まとめ
「恩」と「恩義」の違いを見てきました。
言葉の意味がかなり似ているように感じますが、厳密に調べてみると微妙な違いがあることが分かりました。
人に対する感謝の姿勢に違いがあるのです。
このような言葉の解釈の違いを正しく理解しておくことで自分自分が使う時に困ることのないようにしておきたいものです。