「重畳」とは?意味や使い方を解説

意味と使い方

「重畳」

「ちょうじょう」という読み方をする「重畳」という言葉を知っている人や、実際に使っている場面を見たことがあるでしょうか?普段の会話の中ではあまり耳にすることが少ない言葉ではないでしょうか?

「重畳」の意味

「重畳」には、2つの意味があるのですが、1つ目は、「幾重にも重なること」という意味で、2つ目は、「この上なく満足なこと」という意味があります。

2つの解釈は全く違う意味なのですが、「幾重にも重なること」「ますます重なること」は、「重ね重ね」という解釈の中に「重ねる」という意味合いのある「畳」が使われることになったことから、昔はとても高級品だった「畳」「高級品」=「めでたい」ことが重なることで、喜ばしくもあり、「この上もなく満足なこと」という意味に転じて来たと考えられているのです。

「重畳」の言葉の使い方

「そいつは重畳だ」といったような表現で時代劇のセリフになったりすることがありますが、日常生活では使われることはないでしょう。

使われるケースとしては、かなりかしこまった厳粛な場面で用いられたり、時代小説の中や時代劇で使われる程度です。

それでも、最近のドラマでは聞く機会が少ないのではないかと思います。

「重畳」を使った例文・短文(解釈)

めったに使われることがなくなった「重畳」ですが、例文形式で想定される条件と場面を見ていくことにしたいと思います。

「重畳」の例文1

「本日の資料の内容の一部は、前回メールで配布した資料と一部重畳する」

この時の意味は、以前メールで配った資料と今回配布した資料は、内容の一部が重なっていることを言っています。

ビジネスでは会議やセミナーで、必要な資料を配布することは日常茶飯事のことですが、中身が「重畳」することは時々あることなので、決して珍しいことではありませんが。

ただ、「重畳」という言葉をビジネスシーンで使える人は、どの程度いるでしょうか?今では「重複(ちょうふく)」という表現をする方が多いのではないかと思います。

「重畳」の例文2

「重畳たる山岳の頂が雪をかぶっている」

この時のセリフを聞くと、とても雄大な光景が目に浮かんでくるような気がします。

幾重にも連なる山々の頂を彩る白銀の世界の光景なのでしょう。

壮大はアルプスの山々の光景かもしれませんし、マッターホルンのような険しい山を連想する人もいるでしょう。

この例文を見てどんな光景をイメージするかは、人それぞれですが、こんな場面でも使える「重畳」です。

壮大な山々の光景は見る人、訪れる人の心さえ優雅にさせてくれる力がありますね。

「重畳」の例文3

「なかなか因縁の深い仕事だったけど、無事に終わって重畳だ」

この時の「重畳」とは、「とても良かった」「すごく満足して充実している」といったようなニュアンスがあります。

仕事にも色々なしがらみや因縁めいたものがありますが、無事に終われば、ホッとするのですね。

それまでドキドキしていたことかもしれませんが、終わったことで、胸を撫で下ろしたことでしょう。

でも、あまりこんな心境にはなりたくないものです。

「重畳」の例文4

「無事だったことが何よりも重畳」これも「本当に良かった」

という気持ちを言っていることかもしれません。

と言うのも、色々な出来事が起きて、これから自分にどんな被害が及んで来るのだろうかと心配になるようなことが起こるかもしれません。

場合によっては、大きな怪我を負ったり、命に関わる問題に直面することさえありえます。

しかし、そんなこともなく何とか五体満足にいられることで、心から「ありがたい」と思うことでしょう。

そんな時に「重畳」という言葉が当てはまるのではないでしょうか?「この上もなく嬉しいこと」という気持ちが伝わって来るようです。

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