「慈しみ」
「慈しみ」は「いつくしみ」と読みます。
同じ漢字が使われている「慈悲(じひ)」、「慈愛(じあい)」、「無慈悲(むじひ)」、「滋養強壮(じようきょうそう)」など、「じ」と音読みにする言葉は知っていても、訓読みになると読み方が分からない人もいるのではないでしょうか。
この言葉はプラスの意味を持つ言葉ですので、積極的に使いたいものです。
「慈しみ」の意味
「慈しみ」には、「大切にすること」、「可愛がって大事にすること」、「弱者に愛情を注ぐこと」といった意味があります。
又「慈愛」や「恵み」という言葉で表現されることもあります。
「慈しむ」と「養う」という言葉が組み合わされ、「育てて養うこと」、「体の栄養になるもの」という意味を持つ「滋養」という言葉は、日頃からよく目にする言葉です。
「慈しみ」の言葉の使い方
「慈しみ」という言葉は、弱い立場の人や目下の人などに愛情を注いで大切にする気持ちを表す時に使われる表現です。
自分より弱い人に対して使うだけではなく、人や動物、植物などに対しても幅広く使われています。
「深い慈しみの気持ちで子供と接する」、「慈しみの心を持って植物を育てる」、「ペットを慈しみながら長い時間を共にしてきました」のような使い方をします。
「慈しみ」を使った例文・短文(解釈)
「慈しみ」の意味と使い方を説明してきましたがいかがだったでしょうか。
ここでは、さらに言葉の理解を深めるため、「慈しみ」を使った例文をご紹介していきましょう。
「慈しみ」の例文1
「情勢が不安定な地域では、今でも、慈しみ可愛がられるべき子供たちが、命の危険にさらされているのです」
世界には情勢が不安定な国々があり、貧しい地域では、多くの子供が食料不足で栄養失調になったり、危険な状況下に置かれて命を落としています。
日本では考えられないような深刻な貧困に悩まされ、生まれた地を離れて新天地を目指す人もいますが、それも命の危険を覚悟しなくてはいけないのです。
「慈しみ」の例文2
「慈しみの心を持って他人と接することを心掛けていると、自然に思いやりのある態度で他人と接しているようになるものです」
他人を思いやる優しい気持ちというのは相手にもしっかり伝わるものです。
思いやりの心を持って人と接している人の周りには、同じように思いやりのある人が集まってくるといいます。
逆に、他人に優しく出来ない人の周りには、同じように他人を思いやれない人しか集まらないのだといわれています。
他人に優しくされたいなら、まず自分が他人に優しくなりなさい、と言われるのも頷けます。
「慈しみ」の例文3
「植物に対して慈しみの気持ちを持っている人は、植物を育てるのが上手だといいます」
植物を育てるのが上手な人が世話をすると、どんな植物でも生き生きと元気に育ち、植物を育てるのが苦手な人が世話をすると、どんな植物でも上手く育たず、すぐに枯れてしまうというのは、よく聞く話です。
すぐに枯らしてしまうという人の中には、愛情を注いで世話をしているのになぜか枯れてしまうのだという人も多く、大抵の場合、水のあげすぎや肥料の与え過ぎが原因になっています。
「慈しみ」の例文4
「海よりも深い慈しみの心を持っている彼女は、その全てを愛猫に向けて生活しています」
飼い猫を我が子のように溺愛している人は多くいるものです。
ペットは一緒に暮らしているうちにかけがえのない存在になって、家族同然になるのです。
持てる限りの愛情を注いでもまだ足りないという人もいるでしょう。
動物はそれぞれに性質が異なり、同じ動物でも性格は様々ですので、正しい知識を持って接するということも、愛情表現の1つだということを心得ておかなくてはいけません。