ふとしたタイミングで、難解な熟語に出会うことがあります。
この記事では、「慫慂」と「推奨」の違いを分かりやすく説明していきます。
色々な語句を覚えて、言葉の達人になっていきましょう。
「慫慂」とは?
慫慂(しょうよう)とは、周りの人がそうするようにオススメすること。
ポンと背中を押して、促してくれるという意味があります。
自分ではそうする意思がなかったのに、近くにいる人が呼びかけてくれる様子を示しています。
「慫慂」の慫も慂も、日常生活ではあまり見かけない難読漢字です。
「慫」はビックリする・お誘いするという意味があります。
また「慂」は誰かにオススメするという言葉。
つまり「慫慂」の熟語には、誰かに声をかけられて驚いているニュアンスも含まれているのです。
また最近では「おすすめする」の敬語として、慫慂が用いられることもあります。
たとえば鉄道会社。
台風通過の前に「ダイヤが乱れる可能性がございますので、ご旅行の延期を慫慂いたします」と乗客に対して呼びかけます。
読み方が難しい語句のひとつですが、いざという時に備えて頭に入れておくと便利です。
「推奨」とは?
推奨(すいしょう)とは、誰かにオススメすること。
自分が良いと思ったものを、他の人にも試してみるようにアピールする行為です。
推奨の「推」には上に持ち上げる・押し上げるという意味があります。
また奨は、褒めるという内容の言葉なので、おだてて持ち上げるという「ヨイショ」のニュアンスも入っています。
相手のご機嫌を取りたいとき、相手を敬いたいときに便利な言葉です。
また推奨は日常会話よりも、公的な場でよく使われます。
「ワクチン接種を推奨する」や「社長が、社員の副業を推奨する」なども、その一例となります。
「おすすめする」をもう少し、フォーマルな言い方に替えたいときに便利な言葉です。
「慫慂」と「推奨」の違い
どちらも「すすめる」という意味があるので、区別に迷ってしまうことがあります。
「慫慂」と「推奨」の違いを、分かりやすく解説します。
・かたい表現が慫慂 「慫慂」と「推奨」はどちらも、人にすすめる時に用いるフレーズです。
とても丁寧な意味合いがあるので、日常会話ではめったにつかわれません。
文書内の表現技法のひとつとして用います。
ただ、よりなじみがある言葉が「推奨」。
中高生でも読みやすい言葉で、親しみのある語句です。
それに対して「慫慂」は、多くの人が1発では読めない言葉。
企業や政府がへりくだって物事を伝えたいときに用います。
まとめ
「慫慂」と「推奨」の違いを分かりやすくお伝えしました。
どちらも「おすすめする」という意味がある熟語です。
推奨は良いと思ったものを、他人にすすめたいとき。
慫慂は敬語表現のひとつとして、より丁寧な言葉を用いたいときに使います。
区別が難しい言葉ですが、だいたいの内容を把握しておくと大人の語彙力もアップしていきます。