信頼していた人に裏切られるのはとてもつらいことです。
裏切り行為の中でも特に悪質なのが「持ち逃げ」です。
店が潰れた原因などとして語られることが多い「持ち逃げ」ですが具体的にはどのような行為を指す言葉なのでしょうか。
今回は、「持ち逃げ」の意味と類似表現について解説します。
「持ち逃げ」とは?意味
「持ち逃げ」とは、「金銭や物品を持ったまま逃げる窃盗行為」を意味する言葉です。
「持ち逃げ」の概要
「持ち逃げ」は窃盗の一種であり犯罪行為を表す言葉です。
一般的な窃盗との違いは「信頼して預けられた金銭や物品を持ったまま行方をくらませる」という裏切りの要素が含まれている点です。
「持ち逃げ」で盗まれるものは信頼して預けられた金銭や金銭です。
この人なら任せても大丈夫だろうという「信頼のもとに預けられた金銭や物品を相手の信頼を裏切り自分のものにして逃げ出して盗む行為」が「持ち逃げ」です。
預ける相手は信頼して金銭や物品を任せているので警戒心はありません。
金銭や価値ある物品を任せられるほど信頼されていることが条件なので家族や親友、ビジネスパートナーや会社の金庫番など非常に親しく近い関係性の間柄でのみ発生する悪質な行為です。
信頼して金銭や物品を預けられているので通常の窃盗犯のように盗みだす行為そのものが必要なく、悪意さえあれば簡単に実行できてしまいます。
相手の信頼を完全に裏切る行為なので実行した場合は行方をくらまし二度と顔を合わせず縁も切ることになります。
相手との信頼や関係性によって得ていた地位や収入なども全て棒に振ってしまうため通常は割に合いませんが、預けられていた金銭や物品が非常に高価だったり借金返済期限が迫っているなど刹那的な理由が原因で「持ち逃げ」されることは珍しくありません。
中には最初から「持ち逃げ」を目当てに接近し、信頼を得たところで金銭や物品を持って行方をくらませる悪質な手口も存在します。
「持ち逃げ」の言葉の使い方や使われ方
・会社の金を経理担当者に持ち逃げされた。
・自動車修理工場が突然倒産して夜逃げし、修理のために預けていた愛車は持ち逃げされてしまった。
・持ち逃げされないよう資金は複数人でチェックし、金庫も一人では開けられないようになっている。
・幹事が資金を持ち逃げしてしまったために劇団が解散に追い込まれた。
「持ち逃げ」の類語や言いかえ
・ネコババ
「習得するなどして手にした他人の金品を自分のものにしてしまうこと」を意味する言葉です。
他人の金品を自分のものにして逃げ出すという点が類似した表現です。
「持ち逃げ」が「信頼して預けられた知り合いの金品を自分のものにして逃げ出すこと」を意味しているのに対し、こちらは見ず知らずの人間が落としたり忘れたりしたものを勝手に自分のものにしてしまうという「顔見知りでない人の金品を持っていくこと」という面識の有無に違いがあります。
・横領
「自らの管理下にある他人の金品を無断で自分のものにすること」という意味の言葉です。
預けて任されている財物を自分のものにしてしまうことを表しており「持ち逃げ」とは非常に親しい表現です。
「持ち逃げ」が盗んだ後に行方をくらませるという逃走まで含んだ言葉であるのに対し、こちらは勝手に自分のものにするという窃盗までを表す言葉で逃走までは含まれません。
「横領」してから逃げ出せば「持ち逃げ」になります。
まとめ
ニュースなどでよく耳にする「持ち逃げ」ですが具体的な意味合いまでは理解していない人も多く見られます。
使う機会の少ない言葉ですが誤った使い方をしないためにも正しい実を知っておきましょう。