この記事では、「採集」と「採取」の違いを分かりやすく説明していきます。
「採集」とは?
「採集」とは、自然に存在する生物や鉱物などを研究、調査のため集めることを指す言葉です。
読みは、「さいしゅう」です。
「採集」の「採」には取る、選び取ると言う意味がある事から、自分で採って集めると言う意味を持つ言葉となるのです。
『彼は趣味として蝶の採集を行っている。』や『あの科学者は岩石・鉱物の専門家で、世界中を飛び回って岩石・鉱物の採集を行っている。』の様に使われます。
似た言葉に「収集」がありますが、こちらは自分で自然界から取って集めるだけでなく、標本等を購入して集める行為も含める点が「採集」とは異なります。
「採取」とは?
「採取」とは、研究・調査などのために、とることを意味する言葉です。
また、鉱物や植物や貝などを選び取ること意味でも使用されます。
読みは「さいしゅ」です。
「採取」の「採」の字には、先に記載した様に自分で採ると言う意味があり、「採取」は「採る」と「取る」を重ねて、広い意味で取る事に重点を置いた言葉となっているのです。
『犯人の手がかりとして指紋を採取する。』や『あそこでは、良質な砂利の採取が行われている。』の様に使われます。
「採集」と「採取」の違い
「採集」と「採取」は似た言葉で、間違って使われる事も少なくない類語と言えます。
しかし、まず読みが「さいしゅう」と「さいしゅ」で違っています。
また意味は、「採集」は、自然に存在する生物や鉱物などを研究、調査のため集めることを指す言葉で、一方の「採取」は、研究・調査などのために、とることを意味する言葉で、似ていますが異なるポイントがあります。
その違いのポイントは、「採集」には集めると言う意味が入っていますが、「採取」には集めると言う意味が入っていないと言う点です。
従って、子供達が昆虫を採ったり、植物を取ったりする場合には、標本を作ったり、多くの種類を集める事を目的としているなら、「昆虫採集」や「植物採集」とすべきですが、それを「昆虫採取」や「植物採取」の言葉を使っている例が見受けられます。
これは理屈を付ければ、採る事を楽しんでいるだけなのでと言う事でしょうが、やはり正しくは「昆虫採集」や「植物採集」とすべきと言えます。
もちろん、先の事例で上げたような「指紋採取」や「砂利採取」を「指紋採集」や「砂利採集」とするのも誤りと言えます。
まとめ
「採集」と「採取」は似た言葉で、間違って使われる事も少なくない類語と言えます。
しかし、まず読みが「さいしゅう」と「さいしゅ」で違っています。
また意味は、「採集」は、自然に存在する生物や鉱物などを研究、調査のため採って集めることを指す言葉で、一方の「採取」は、研究・調査などのために、とることを意味する言葉で、意味合いも違う言葉なのです。
異なるポイントは、「採集」には集めると言う意味が入っていますが、「採取」には集めると言う意味が入っておらず、単に採る・取ると、とると言う意味を重ねた言葉である点と言えます。