この記事では、「改良」と「改善」の違いを分かりやすく説明していきます。
「改良」とは?
悪い点や不備な点を改め今よりも良いものにすることを意味する「改良」。
「改め良くする」と書く漢字からも意味が伝わります。
今あるものの気になる点、不具合、などに対し、良くするように修復することを意味する言葉です。
「改良」の使い方
「改良」には、「改良工事」、「改良型」、「改良品」、「改良計画」、「品種改良」など、「改良」する行為、「改良」されたものなどを意味する言葉がいくつもあります。
「改善」とは?
悪い点を改めて良くすることを意味する「改善」。
「改善」の「善」には、正しい、良くする、といった意味があります。
「改善」の場合、問題があると思われる悪い点を見つけ出し、その点を直すことで、結果、良いものになることを意味しています。
また、「改善」の場合の対象物は、抽象的なものが多く、全体的に良くする、良い方向にもっていく、といった意味で用いられる言葉となります。
「改善」の使い方
「改善」には、「生活習慣の改善」、「体質改善」、「改善の余地」、「改善の見込み」、「労働条件の改善」など、何を「改善」するのかといった使い方が多くなります。
「改良」と「改善」の違い
「改良」は、今の状況、状態を受け入れ、そのうえで、より良いものにするよう努力すること、行動に移すことを意味します。
一方、「改善」の場合は、今の状況、状態のなかで、不具合がある店や修正が必要な点、悪いと思われる点を洗い出し、それら問題点を失くし、元の良い状態にするといった意味があります。
そのため、「不具合の改善」という言葉はありますが、「不具合の改良」という言葉はありません。
「改良」の例文
・『我が家の裏で地盤改良工事が始まり、銃器の騒音が非常にうるさいです。』
・『今度、改良されて販売される新機種に非常に興味があります。』
・『今よりも使い勝手が良いように機会を改良したことで、生産効率がアップしました。』
・『この花の色は、何度も品種改良を行った結果、やっと出すことができた色です。』
「改善」の例文
・『コーチにフォームのチェックをしてもらい、「まだまだ、改善の余地がある」と言ってもらうことができました。』
・『健康診断が気になる年齢になったので、夫婦で生活習慣を改善していきたいと考えています。』
・『労働条件の改善を組合にお願いすることにしました。』
・『今後のことを考え、改善すべき点を一から洗い出すことにしました。』
まとめ
以上が、「改良」と「改善」の違いです。
それぞれ用いる場面も大きく異なり使用する言葉も異なります。
「品種改良」とは言いますが、「品種改善」とは言いません。
「生活習慣の改善」とは言いますが、「生活習慣の改良」とは言いません。
このような使い分けからも、それぞれが持つ意味に明確な違いがあるということがわかってくる、そんな言葉となります。