似たような行動でも目的や役割によって呼び方が変わることがあります。
そのようなケースに当てはまるのが「整備」と「修理」です。
どちらもやっている作業は似たような内容ですが、具体的にはどのような違いで区別されているのでしょうか。
今回は、「整備」と「修理」の違いについて解説します。
「整備」とは?
「整備」とは、「機械や道具などを今すぐ正常に使えるように行う日常的な点検や調整」を指す言葉です。
一般的に「整備」という場合は「機械に異常がないか確認し不調を解消するために行われる点検や調整」を指します。
使用前や一年ごとなど定期的に行われることが多く、故障や異常を未然に防ぎトラブルなく安全に使用するために行われます。
「整備」の主な目的は「保守」です。
期待される機能や性能を維持し守るために行われる作業であり、トラブルの予防や性能の維持のために汚れを落としたり緩みを締め直したりなど手入れを行うことで最良の状態に近づけ期待される機能や性能が十分発揮される状態に戻します。
ある程度複雑なメカニズムをした機械や道具に使われる言葉で、たんに汚れを落としたり目視で確認したりといった単純な作業ではなく道具や機材を使用して部品類に手を加える技術を要する作業を指して「整備」と表現します。
「整備」の使い方
・自動車は半年ごとにきちんと整備した方がいい。
・出発前に整備を行うと安心だ。
・整備記録が残っている中古車を購入した。
・大掛かりな整備には専用の機材が必要である。
「修理」とは?
「修理」とは、「壊れたものに手を加え再び使用できる状態にすること」という意味の言葉です。
傷んだり破損したりなど壊れて本来の用途で使えなくなってしまったなったものに対し「手を加えて使える状態にすること」を指して「修理」と表現します。
形を修正したり部品を交換したりなど方法はさまざまですが「壊れて使えなくなったものの機能や性能を取り戻すための作業」が「修理」です。
作業そのものを指す言葉なので期待通りに治らない場合も「修理」に含まれます。
一般的には工業製品など誰かの手が加わって作られたものに対して使われる表現で自然のものや生物などには用いられません。
元通りの形に復元する場合だけでなく、機能や性能を取り戻すことを目的とした作業全般を指すのが「修理」です。
「修理」の使い方
・壊れた時計を修理する。
・事故にあった自動車を修理に出す。
・パソコンの修理には3日間かかります。
・ミシンの修理に成功した。
「整備」と「修理」の違い
「整備」と「修理」の違いは「壊れているかいないか」です。
「整備」は機械や道具を正常に使うために行われる作業で通常は壊れる前、まだ使えるうちに行われます。
「整備」は異常や不具合などの発生後、壊れて十分な機能や性能が発揮できなくなってから行われます。
壊れる前にトラブル予防を目的に行われるのが「整備」、壊れた後にそれを解決するために行われるのが「修理」という違いがあります。
まとめ
「整備」と「修理」は作業そのものは似ているように思えますが、実際の役割や目的は全く異なる別の作業です。
どちらも日常生活で使う機会の多い一般的な言葉なので誤解することのないようにきちんと意味を覚えておきましょう。